
犬のお手入れの中で犬自身も飼い主もどちらもが苦手と感じているのが爪切りです。
市販の爪切りにはギロチン型と呼ばれる定番のスタイルもあれば電動式の爪やすり型もありどちらを買うべきか迷ってしまいます。
ここでは犬のタイプにあった爪切りの選び方をご説明させていただきます。
2人体勢、爪切り慣れした犬ならギロチン型でOK
毎月必要なお手入れだから自宅で済ませたいと考えているものの、犬が逃げる、うなる、噛むなどなかなかスムーズに進まないこともあります。
でも家族で2人体制で爪切りが出来る、犬が爪切りを嫌がらないという場合は、一般的なギロチン型と呼ばれる爪切りでOKです。
この爪切りは大型犬用の大きなサイズでも2000円ほどで購入でき、3~5年、錆が付かなければそれ以上長期に利用し続けることが出来ます。
トリミングショップや動物病院に爪切りをお願いする場合、一回500円が相場ですからとても大きな節約効果を期待できます。
この爪切りはギロチンと呼ばれる歯の間に爪を入れ込み、一気に切断するので手早く処理が出来ることが何よりのメリットです。断面もスパッと切れ、爪内部の血管手前まで切ることができます。
犬によっては飼い主のうち1人が抱き上げた状態でもう1人が切りそろえるという体勢であれば、精神的に落ち着いていることが出来スムーズに爪切りをさせてくれることもあります。
また犬は本能的に高い場所が苦手なのでトリミングテーブルほどの高さのある場所や洗面台の上、お風呂の蓋の上などに立たせた状態で爪を切るとその緊張感から大人しく爪を切らせてくれるという事もあります。
ただこのタイプの爪切りは、切るたびに爪に衝撃が伝わるので、その衝撃が苦手ということで嫌がられることもあります。
犬にとっては抱き上げられ、爪切りを見せられただけで緊張状態が始まっているのですから、不意の衝撃にさらに追い詰められた気持ちになってしまうのも仕方がないのでしょう。
もし爪切りの最中に衝撃がつたわる度に犬が嫌がる、暴れる、うなる場合は衝撃の少ない電動爪やすり型がオススメです。
衝撃が少ないので初めてでも簡単な電動爪やすり
ネイルグラインダー、電動つめやすりという製品が最近いくつか登場しています。
主に海外メーカ-の製品が多く、カラフルでしっかりとした作りになっています。
この製品は、人間のネイルサロンなどで爪を整形する時に使われる機器を犬用に改良したもので、先端に固い金属のやすりがついていて、スイッチを押すと高速でこの部分が回転します。
この回転によって爪を削る仕組みです。
削り終えるタイミングは飼い主が都度確認し、爪内部の血管を傷つけない程度で調整します。
使用中にある程度の振動音が爪に伝わりますが、ギロチン型の様に大きな衝撃が断片的に起こるのではなく、継続して伝わるので比較的犬に与える不快感が少なく済みます。
その為これまで爪切りが苦手だった犬でも受け入れてくれる場合が多いと注目されている製品です。
またギロチン型に比べ切り終えた後の爪の断面が滑らかになるので、飼い主にひっかき傷をつけることもないと好評です。
ただこの製品はやすりで爪を削るので、四肢すべての爪を削り終えるには時間がかかること、削った爪は細かい粉末になって飛びちることがデメリットとされています。
また中には自動で最適な長さまで削り機器が停止すると勘違いされてしまう方もいますが、この爪入りでもギロチン型同様に飼い主さんの目視で爪の長さを決め、血管を傷つけないよう注意が必要です。
購入する場合は、できる限り軽量で振動、操作音の少ない製品を購入しましょう。
海外製品の中には意外に重量がある、操作音がうるさいという製品もあるので注意が必要です。安価な製品ではないので十分に検討してからの購入がよいでしょう。
爪切りは切れ味が何より大切
犬が爪切りを嫌がる理由は本能的に苦手とする体の先端部分を抑えられ、衝撃を加えられるからです。
そのためスムーズに嫌がらせずに爪切りを終えるためにはできる限り衝撃を無くし、短時間で終えることが必要です。
ギロチン型を使用する場合、製品は多々販売されていますがプロトリマーが使用する製造元の製品を購入しましょう。
安価な製品、デザイン性に優れた製品などもありますが大切なことは歯の切れ味です。
切れ味が悪ければその分衝撃や切り直しも必要になり犬に嫌われてしまいます。
また長年使用していると歯の滑りが悪くなるので潤滑剤や錆び取り剤を使用しお手入れをするとスムーズな切れ味に戻すことが出来ます。
電動爪やすりを使用する場合は、衝撃、稼働音が如何に少ないかを基準に選び、犬が爪切りに抵抗感を感じないよう工夫をしてあげましょう。