
犬がかゆがる皮膚病はいろいろありますが、今回は犬の「毛包虫症(もうほうちゅうしょう)」についてです。
大それた病名に聞こえるこの皮膚病、実は人間にとってもポピュラーなアレと同じなんです。
毛包虫症とはどんな病気
毛包虫症とは、ニキビダニ(嫌な名前ですね…)とも呼ばれている虫が増殖してしまうことで発生する皮膚炎です。
そう、人間でもお馴染みのニキビです。
若かりし頃悩まされた方、今も悩まされている方、人間の皮膚病では最もポピュラーなものの1つではないでしょうか。
毛包虫は、最近死者が出たりして話題になっているマダニのように目に見える大きさではなく、視認はできません。
顕微鏡で拡大してみないと見えない非常に小さいダニです。
ですからもし犬が原因不明の皮膚炎を起こしてしまった場合、まずはこのニキビダニの疑って検査をしてもらうといいかもしれません。
ほとんどの犬に寄生している
毛包虫は感染してしまうものではなく、ほとんどの犬に寄生している虫です。
特に悪さをする虫ではなく、毛包虫が顔や体にいるからといって絶対に皮膚炎を起こすものではありません。
では何故、毛包虫で皮膚炎を起こす犬が存在するのでしょうか。
乾燥肌は要注意
肌が乾燥した状態が続いていて免疫力が低下していると、なんてことはない虫が皮膚炎のトリガーになってしまいます。
犬の肌は人間に比べると薄くて軟弱です。でもしっかりと外的刺激から守る働きが備わっています。
健康な肌であれば少々の外的刺激があってもへっちゃらですが、乾燥肌の場合は外的刺激から守るバリア機能も弱まっており、容易に虫や菌、またアレルゲンやウイルスの侵入を許してしまいます。
これは人間の皮膚機能と同じで、人間の顔にも顔ダニというものが常在していますよね。
ほとんどの人の顔には、見えないダニが住んでいます。特に普段は悪さをすることはないのですが、場合によってはニキビや肌荒れのトリガーになってしまいます。ダニは皮脂を好み食べてくれますが、ダニの数が多いと、フンなどで毛穴を詰まらせ、ニキビの原因になります。
犬も、これと同じ現象が起こるというわけです。
毛包虫症の症状
一旦発症すると赤くただれ、ブツブツ肌になり毛が抜け、見るからに痒そうな見た目になります。
症状をしつこく繰り返す犬も多く、こうなってしまっては、肌そのものの生理やバリア機能を高めることと、増えすぎたダニの駆除が必要になってきます。
うちの場合は、動物病院で駆虫薬を出してくれました。
シャンプー後の乾燥が肌の免疫力を下げた原因かと思いましたが、そこは獣医から「かもしれない」と言われ、とにかく指示を守って薬を使い、犬のスキンケアについて調べまくったのは言うまでもありません。
バランスが大事
私は大の虫嫌いですから、「ダニ」と言われただけて眉間にシワがよりますが、人も犬も、皮膚にダニは常在しているんですよね。
肌の健康を保つための虫や菌のバランスが大事で、少しでもバランスが崩れたら皮膚病のトリガーになってしまいます。
そのバランス維持は自分の肌の健康状態が直接関係しているということです。
風の谷のナウシカを見習って、虫と仲良く、共存する気持ちが大事ということかもしれませんね。