
可愛い愛犬とはいえ、体に触れたり、ブラシを目にしただけで唸る、噛む、威嚇することもあります。
このような問題行動には飼い主が受け流すスキルを身に付け対応するとスムーズです。
犬の緊張、恐怖心、警戒心をゼロにする
飼い主に攻撃的な態度をとったり、突発的に威嚇行動をとる犬の心理状態は、緊張、恐怖、不安でいっぱいです。
つまり飼い主の事が嫌い、反抗心がある、自分が上位者であると考えているわけではなく、単に条件反射的に行動をしてしまうのです。
ただこのような行動は時には家族を傷つけてしまうこともある危険な行為です。
出来る限り早期にスムーズに解決をめざしておきたいものです。
例えば犬が
- リードの着脱のタイミング
- ブラッシングを始めようとした時
- 歯ブラシをしようとしたとき
- 薬剤を用意した時
などのタイミングで日常的に飼い主に攻撃的な行動を見せる場合は、敢えて叱らずに犬の目のまえにリードやブラシを放置してみましょう。
犬のお気に入りのおもちゃの近くにおいても効果的です。
この時、犬はまずは無関心を装うでしょう。
でも次第に関心を示しブラシやリードに自ら近づき臭いを嗅ぐようになります。
その後軽く噛んだり、咥えて歩く事もあるでしょう。
犬がどのような行動をとっても家族は決して声を掛けたり、中断をさせる必要はありません。
実はこの簡単な方法で犬の警戒心が払拭でき、問題行動の改善につながります。
犬自身がリードやブラシは危険な物体ではない事、噛んでも咥えてもなんら反撃をしないただの物である事を理解すると、次に飼い主がその物をもっても平然をしていられるようになるからです。
同様の方法で犬が日ごろ過剰に嫌がる物、警戒して無駄吠えをする物などもまずは犬の前に放置し、自由に観察を確かめ行動をさせてあげるとあっさりと問題を解決できます。
歯ブラシを嫌がる場合は、歯ブラシに犬の好む歯磨きペーストやおやつをつけ、犬に自由に噛ませておきましょう。
歯を磨く事よりもまずは歯ブラシを口の中に入れる事への警戒心を取り除きます。
この行動を何度か繰り返しているうちに、歯磨きをまるでおやつをもらう感覚で楽しんでくれるようになります。
日常的なお世話を嫌がる犬の多くは、飼い主の切迫した雰囲気と気迫、なんだかわからない不思議な物体への警戒心でパニックを起こしているのです。
このお互いの誤解を解く事がとても大切です。
叱らずに褒めてあげる
犬のお世話をする時に犬が嫌がる、逃げる、威嚇をした時、つい飼い主側も不機嫌になったり、厳しく叱ってしまいがちです。
でも緊張と不安でパニックを起こしている犬にこのような態度で接する事はかえって逆効果で、回を重ねるごとに犬はお手入れやお世話を嫌がるようになります。
犬にスムーズにお手入れを受けさせるためには、あえて犬の心理と逆の行動をとると効果的です。
例えば
- 犬が怒れば怒るほど、飼い主は明るく、陽気に声を掛ける
- 犬が噛みつこうとしても、あえて何も反応しない(無視をする、怖がらない、叱らない)
- 犬が逃げても追いかけない、おやつで呼び寄せ自ら飼い主の元へ戻る様に誘導する
という方法です。
中でも大切な事は、逃げる犬を追いかけ捕まえない事です。
この行動はかえって犬を精神的に追い詰め、反抗を助長します。
事前にチーズなど風味が強いおやつを準備しておき、愛犬を呼び寄せ、自ら行動させる事が成功の秘訣です。
苦手な習性を活用する
犬は高く、不安定な場所がとても苦手です。
例えばトリミングテーブルです。どんなに暴れん坊な犬も一旦トリミングテーブルの上に乗せると途端に静かになるものです。
犬のお手入れにも家庭にある高い場所を上手に活用するとスムーズです。
ただし犬は高い場所が苦手ですから、無理やりにでも飛び降りようとします。
高い場所へ乗せる時は決して犬から目を離さず、家族がそばに付きそうよう徹底しましょう。
高い場所へ乗せた後は、犬がリラックス出来るように少量のおやつを与え、優しく声を掛け、犬が落ち着いた状態になった事を確認したうえでブラッシングや薬の塗布などのお世話を始めましょう。
お世話が終ったタイミングで再度犬に少量のおやつを与えると、次第にその場所へ上がるとおやつをもらえると認識が出来、上がる事、お世話をされる事を嫌がらないようになります。
犬と接する時は、相手を小さな子どもだと思い、自身が大人として接するとお互いの姿勢がぶつかりあう事なくスムーズに物事を進める事が出来るでしょう。