
犬を家族に迎え、これからは愛犬を被写体にカメラ撮影を趣味に、インスタ映えする楽しい写真をと張り切っていたものの、いざとなると犬はカメラが苦手、カメラ目線になってくれないと諦めてしまっていませんか?
犬とカメラの関係を理解してあげると、これまでのお悩みをすっきりと解消することができます。
大きなレンズは巨大生物の証
なぜ我が家の愛犬はカメラをさけるのか、カメラ目線になってくれないのかと、雑誌やWEBでかわいらしい画像を目にするたびに切ない気持ちになりませんか?
撮影者がプロだから、犬のしつけが行き届いているからだけがその理由ではありません。
実は、犬の本能でカメラのレンズを拒絶しているからなのです。
犬はその本能から、相手の動物の目(眼球)サイズで相手の体の大きさを判断します。
たとえば小動物であれば、自身より格段に目が小さい存在ですから命の危険を感じることはありません。
同じ犬同士で対面した場合でも、小型犬、大型犬それぞれの眼球のサイズから相手の体の大きさを判断します。
この基準は人間にも当てはまります。
目の大きさで相手の体のサイズを判断し、危険かどうかを見極めているのです。
この本能を活用したうえで、一眼レフカメラのレンズサイズを想像してみましょう。
自然界にあれほど大きな片目を持つ動物はなかなか存在しません。
そのうえ、自身のことを正面から見つめ、姿を追い、時には強い光を発するのですから恐怖の対象そのものです。
犬は相手を攻撃する意思がないとき、相手に降参の意思を表明するときには相手から目をそらすという習性があります。
そのため、カメラのレンズを見ないという行動は、あれほど大きな目を持った動物に歯向かう意思がないという意思表示の現れです。
この行動あくまでも条件反射的な行動であり、決して激しく叱る、無理やり目線を合わせるという方法では効果なく、かえって犬をカメラ嫌いにしてしまうので注意しましょう。
やや上に目線を合わせる
プロカメラマンやカメラテクニック上級者の撮影した写真は、犬がしっかりとカメラ目線で写っています。
これはモデルとなった犬がずっとカメラを見つめていてくれたということではなく、ほんの一瞬カメラを見つめた瞬間を逃さずに撮影できているという仕組みです。
この瞬間にシャッターチャンスを合わせることができるかどうかがテクニックなのです。
家庭で撮影をする場合には
- 犬の注意をひきやすいように、風味の強いおやつを用意する
- おやつをレンズの斜めうえあたりにかざし、犬の目線をおやつに集中させる
- タイミングを逃さずに撮影をする
という方法に挑戦してみましょう。
おやつの位置を次第にレンズに近づけ、画像ではまるでレンズを見つめているかのように調整します。
この方法は人間でも同様で、相手の目を見ることが苦手な場合は、目ではなく眉間やこめかみを見つめるように意識すると無理なく目線を合わせることができるという手法と同様です。
どんなに訓練をした場合でも、犬が長時間レンズを直視するということはありませんから、撮影チャンスはほんの一瞬だということも覚えておくとよいでしょう。
レンズに近づかせることも効果的
また犬自身の警戒心を払拭し、楽しそうな表情で撮影をするためには、カメラに触れさせるという方法も効果的です。
レンズにカバーをつけ、犬がレンズやカメラ本体の匂いを嗅ぐことを自由にさせてあげましょう。
物体そのものから匂いがしないこと、動かない単なる物であることを理解するだけで、各段に表情が明るくなり、カメラの存在を意識することがなくなります。
日常生活の撮影から練習を
カメラの向けられただけで犬が不快な表情を見せる場合には、まずはごくありふれた日常から撮影を重ねてみましょう。
目線を追うこともせず、犬の様子をただランダムに撮影します。
この練習を重ねることで、犬自身がカメラへの特別感をなくしてくれるので、撮影も家族の家事の一環のようにとらえてくれるようになります。
ただし犬の食事中、おやつタイム、大好きなおもちゃで遊んでいる最中は決して邪魔をしないように配慮してあげることも大切なことです。