
犬が体を頻繁に掻くと、もしかしてアレルギー?食事が合わなかった?と不安になることはありませんか?
実は犬は本当にかゆみを感じている訳でないのに、体を掻くことがあります。
痒いのか?それともアレルギーなのか?を見極めるポイントを知っておくと愛犬への不安を解消できます。
体を掻くのはアレルギーだから?
アレルギー対策用ドッグフード、アレルギー対策用おやつ、アレルギー対策用サプリメントと今やペットショップの店頭にはたくさんの「アレルギー」という言葉が並んでいます。
人間でさえ様々なアレルギーに悩まされるほどですから、犬も相当辛い思いをしているのでしょう。
犬がアレルギーを発症した時の主な症状は
- 全身のかゆみ
- 脱毛
- 湿疹
- 皮膚の赤み、黒ずみ
などです。
中でもかゆみは我慢が出来ないほどで、絶え間なく全身に広がります。
中にはかゆみに任せて体を掻き続け、傷口が出来てしまうほどに深刻なこともあります。
初めて犬を飼う場合、犬のアレルギーに関する情報だけが先に届いてしまい、犬が体を掻く度に不安を感じてしまうという声もあります。
いつ、どのタイミングで動物病院を受診したらいいのか?ドッグフードを切り替えるべきか?周りにうつらないのか?など不安が尽きません。
ただ犬は体を掻く理由は必ずしもアレルギーだけが原因ではありませんから、犬の行動が意味する内容を理解してあげると、余計な不安を解消することが出来ます。
犬が体を掻く理由はさまざま
実は犬は体を掻く意味にはかゆみのほかに、リラックスや相手の気をそらすという意味があります。
つまり全くかゆみを感じていないにも関わらず、突然座り込んで体を掻くのです。
この行動はカーミングシグナルと呼ばれ、犬の行動学の研究において様々な調査がされています。
犬が体を掻く場面と言えば
- 自宅でリラックスしているとき
- 飼い主に叱られた直後
- 散歩中やドッグランで他犬と遭遇した時
- 小さな子供など日ごろ慣れない相手と遭遇した時
- 動物病院やトリミングショップの待ち時間
など様々です。
でも一見バラバラに見えるこれらのシーンですが、実は共通点があります。それはどの場面も「緊張」が関係しています。
飼い主に叱られている最中の犬は緊張状態にあります。
でも飼い主が厳しい口調を止め、その場を立ち去れば今度は解放感が生まれます。
ドッグランや散歩でも同様で、他犬を見つけた瞬間に緊張感が走ります。
でも相手が攻撃的な態度をとっていないもしくは自分には到底敵わない相手だと認識できた時には戦わずに済むのですから解放感を味わっています。
相手の犬もこのことを理解し、体を掻く仕草を見せているという事は戦意がないという証ですから、お互いが衝突し喧嘩が起こることはありません。
このように緊張状態にある場面から不意にリラックスした時、もしくは自ら意識してリラックス状態を作り出せた時に犬は体を掻きます。
犬が体を掻く行動は、人間が背伸びをしている状態によく似ています。
長時間の勉強や会議が終わった瞬間に大きく両手を上げ背伸びをすると精神的に開放され、気分が軽くなることと同じです。
この行動は犬にとってごく自然と出る本能的な行動です。
決して叱られたことを理解していない、反省していないために直後に体を掻いているわけではありませんからそのままスルーしてあげましょう。
病気?サイン?掻き方から見分けるポイントは?
犬が体を掻く意味は理解できたものの、アレルギーとの違いは?と不安は残ります。犬がアレルギーが原因で体を掻く場合は
- 全身どこでも掻きます
- 不意に立ち止まり激しく掻きます
- 足だけでなく、口でも体を噛み、傷つけてしまうほどに強く掻きます
- 傷口が出来ていても同じ場所を何度も掻きます
- 寝ている最中でも起き上がり掻きます
- 体を壁や床、家具にこすりつけ掻きます
このように時と場所を選ばずに掻き続けます。
カーミングシグナルとの違いは、全身にかゆみがあり、多少無理な体勢をとってでも体を掻くことです。
カーミングシグナルの場合、基本的にはリラックス感を味わっているので、無理な体勢をせずに軽く体を丸めるだけで届く場所、脇腹や首元を数回掻くだけで終わります。
でもアレルギーで掻いている場合どれだけ掻いてもかゆみがおさまらないので次第に表情が険しくなり、掻き続ける足にも力が入っていきます。
この違いは何度も目にするうちに次第に気が付けるようになります。
またカーミングシグナルとアレルギーの決定的な見分け方は、飼い主の声で中断させることが出来るかどうかです。
カーミングシグナルの場合は飼い主の呼ぶ声に反応し、掻くことを止め、呼び寄せも出来ます。でもアレルギーが原因の場合は、なかなか自制が利かないのでこの点でも見分けることが出来ます。
もし犬の行動に不安や心配があるときは早期に動物病院を受診してあげましょう。