
せっかくシャンプーをしても、気がつけば地面に体をこすりつけてしまったり、汚れた毛布に体をこすり付けたり、中には街中のゴミ捨て場にあえて潜りこもうとまでする事もあります。
このような犬の困った行動にはどのような意味があるのでしょうか?
シャンプーの残り香に要注意
犬にとって自身の体臭は身を守るカモフラージュの意味や群れの仲間である事を証明する大切な意味を持っています。
その為、飼い主がよかれと思って付けたシャンプーの香りは、自身の存在そのものを危険にさらすような危機感さえ覚えてしまうのです。
自分の体から自分以外の臭いがする時、単に不快に思うだけの犬もいれば、必死になってその臭いをごまかそうとする犬もいます。
後者の場合、自身の寝床やいつも使う毛布に必死で体をこすり付け、本来の臭いに戻そうとします。
中にはあまりに不快な臭いをなんとか消すためにより強い臭いをつけようと散歩中に見かけるゴミ捨て場に全力で飛び込もうとする犬もいます。
このような行動は、群れ意識の強いオス犬に特に見られます。
犬がシャンプー後にこのような行動を見せる時は、シャンプー選び方を見直す必要があります。
海外製品の強い香り、人工的な香りには注意が必要
ペット用シャンプーには様々な香りの種類があり、天然ハーブ系の物や海外製品では果物の香りやスイーツの香りまで揃っています。
日本製品に比べ海外製品はパッケージがカラフルでとても華やかな印象を受けます。
ペットショップの店頭に並べた場合でも見栄えがよく、目新しさもあるので新製品が輸入されるたびに華々しく陳列されています。
海外製品には日本製品にはない特有の香りが多く、中には興味本位で購入される方も少なくありません。
しかし海外と日本とではよいと感じる香りの程度が大きく異なるうえに、日本の住宅環境で室内に強い臭いを発する犬が居ることも好まれないものです。
日ごろシャンプーを購入する時、つい香りを重視して選んでしまいがちですが必ずしも配合されている香りの成分が犬にとって安全で安心出来る成分とは限りません。
ペット用シャンプーは人間用製品と異なり、製品パッケージに内容成分の記載義務がありません。
その為中には大変洗浄力が強く犬には刺激が強すぎる成分を配合していたり、皮膚への残留が懸念される成分が配合されていることもあります。
特に香りが強く残る製品やパッケージの蓋を開けただけで強い香りを感じる製品は注意が必要です。
人間が強いと感じるほどの香りは、湿気の籠った空間でシャンプーとして泡立てた場合や犬の体に残留し体温で暖められた場合より強い香りを発します。
当然のことながら嗅覚がすぐれた犬は人間の何千倍というセンサーでその香りをかいでいるのです。
このような状態は当然のことながら犬にとって快適な状態とは言えないでしょう。
シャンプーを購入する時は、
- メーカー独自の取り組みとして内容成分の公表、記載をしていること
- 犬にとって安全な成分だけで製造されていること
- 犬の皮膚構造を考慮したうえで開発されていること
- 過度な残り香が無いこと
を必須条件に製品を選びましょう。
犬の体臭を軽減するには、しっかりとした基礎洗いが効果的
シャンプーの香りを重視する理由の一つに犬の体臭があります。
日ごろ定期的にシャンプーを済ませていても特有の体臭が気になるものです。
実はこの体臭はシャンプーの頻度を変えたり、強い残り香のシャンプーを使用せずともシャンプーの方法を見直すだけで改善出来るものです。
犬の体臭の原因は体に残った余分な皮脂やその皮脂に付着した汚れ、抜け落ちずに残っている被毛です。
これらの原因をシャンプーの度にすっきりと洗い流すことができていればその後の体臭発生を抑制することができます。
家庭でシャンプーをする時は
- シャンプー前にブラッシングをし余分な抜け毛を取り除いておく
- シャンプーを付ける前に全身の皮膚、被毛を十分に湿らす
(この時、被毛の表面が濡れた事で、予洗が完了したと思いがちですがシャワーヘッドを愛犬の体に押し当て滑らせながら移動させる事で、被毛の根元、皮膚までしっかりと予洗をします。) - シャンプーは指の腹を使い、皮膚を軽くマッサージするように泡立てる
(指の腹に愛犬の皮膚の感触を感じながら泡だて、洗います) - 耳、首、尾の付け根など皮脂や抜け毛が集まり易い部位は特にしっかりとシャンプーを泡立て洗います
- 最後にシャワーヘッドを犬の体に押し当て、滑らせるように全身を洗い流します
犬の体は本来水で濡れた時に体温の低下を防ぐ事が出来るように被毛が働きます。
その為、シャワーが皮膚や被毛の根元まで行き届かないこともあります。
この予洗をしっかりと済ませておくだけでも、体臭の軽減に多いに期待出来るのでぜひ次回シャンプー時に挑戦してみましょう。