
フレンチブルドッグやパグの様に鼻が低い犬種にとって夏の暑さは想像以上に辛いものです。熱中症の危険が日常のあらゆる場面に潜んでいることをしっかり考え様々な暑さ対策を講じてあげましょう。もし息遣いの変化や行動の変化に気が付いた時はすぐに応急処置を施し動物病院を受診してあげましょう。
暑さ対策はエアコンよりピンポイントが効果的
夏の暑さ対策はどうしたらいい?と毎年頭を悩まされることでしょう。
特にフレンチブルドッグやパグのような顔立ちの犬種は様々な暑さ対策を講じてもなかなか効果がみられず常に荒い息遣いになりがちです。
暑さ対策といえばエアコンやクーラーを思い浮かべがちでしょう。
でもエアコンの風は床面近くで生活をし、寝そべっている愛犬の元にはなかなか届いていません。
特に飼い主が不在の留守宅では風が滞留してしまい体感気温としての快適さを感じることはできません。
扇風機も同様でかすかな風の動きを感じることはできてもほてった体が冷却され快適さを感じるほどの効果はありません。
また留守中にサークルに向けて扇風機を稼働させたままにすると、長時間風が当たり続けることで逆に愛犬の体調を崩してしまう原因にもなるので危険な行為です。
フレンチブルドッグやパグの犬種におすすめの暑さ対策は「ピンポイント冷却」です。
「ピンポイント冷却」とはほてった体を直接冷やす方法です。
具体的には
・市販床面設置型のクールパネルを使用する
・首に冷却水を浸したバンダナを巻く
・凍らせたペットボトルを与える
・ホースで脇、腹、首などに直接水をかける
という方法です。
一見手荒な方法の様にも見えますが、即効性があり効果的な方法です。
たとえば散歩から帰宅した直後やはしゃいだ後、シャンプー後など暑さから息遣いが荒くなっているタイミングをそのまま放置しては体が冷却するまでに時間がかかり心臓にも負担がかかります。
でも愛犬がいつも過ごす場所に凍らせたペットボトルを置いてあげると、自らペットボトルに寄り添い体を冷却させるようになります。
もちろん使い方を覚えるまでは警戒してしまう事もありますがタオルなどを巻き付けて感触を工夫してあげると次第にその快適さを理解できるでしょう。
より効率的に体を冷却したい場合には首や内股、脇などの主要な血管が通る箇所を直接冷やすとより効果的です。
散歩からの帰宅直後など愛犬の息遣いに不安を感じる場合はこれらの部位を冷やしてあげましょう。
おやつ替わりにかき氷もおすすめ
暑い夏はおやつにも一工夫を加えてあげましょう。
フレンチブルドッグやパグといえば日ごろから肥満が気がかりでおやつを控えているという方も多いものです。
そのような方でも安心して与えていただけるおやつが「かき氷」です。
もちろん人間の様にシロップをかけることはせずに砕いた氷だけで与えます。器に氷を入れ散歩からの帰宅した時や暑さが辛い時に与えると効果的です。
お出掛けの時に休憩のタイミングで水分を摂取させたい時にもおすすめです。器に入れた水は飲まなくても飼い主さんの手から渡される氷なら喜んで食べてくれるからです。
氷が大好物という声が多々ありますが、一度に多量に与えてしまうとお腹が冷えてしまい下痢を起こすこともあるのであくまでも様子を見ながら少量のみ与えるように注意しましょう。
またありがちな失敗例は暑さ対策にとあえて食事を冷やし与える方法です。せっかくの手作りごはんを冷蔵庫で冷やしたり、缶詰を冷やしたり、中にはかき氷をドッグフードにトッピングする方もいますがこの方法は決して愛犬に好ましい方法ではありません。
冷たく冷えた食事は犬にとって決して美味しい食べ物ではありません。そのため食欲減退を招くこともあります
夏はただでさえ暑さで食欲が減退しがちな時期ですから、食事はいつも通り人肌程度の温かさに工夫してあげましょう。
常に熱中症のリスクを意識して
フレンチブルドッグやパグとの生活には常に熱中症の危険が潜んでいることを考えておいてあげましょう。
留守番中はもちろんの事、熱帯夜であれば夜間もクーラーを稼働させておかなければなりません。
エアコンのリモコンは決して愛犬の届く場所に置かず、壁面や棚の上に置きましょう。実は留守中に愛犬が同居の猫がリモコンをイタズラしエアコンを停止させてしまったというケースが多発しているからです。
車に乗せる時やキャリーバックで移動させる場合も同様です。凍らせたペットボトルや保冷剤を用いて暑さ対策を講じてあげましょう。
もちろん散歩にも十分な注意が必要です。
フレンチブルドッグやパグ達は私達人間が感じているよりも3~5度高い気温を体感で感じているとも言われています。
大きな口を開け一生懸命に呼吸をしてもなかなか自力では体温を下げることも出来ません。
万が一の事を考え万全の暑さ対策を講じてあげましょう。