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辛いかゆみ、脱毛、皮膚の荒れと愛犬のアレルギーは目にする家族にも様々な思いをもたらします。
愛犬の辛い症状を何とか解消してあげたいと思うと、ついアレルギーの関する誤った情報さえも受け入れてしまう事があります。
多くの犬が抱えるアレルギーの悩みについてご説明させていただきます。
アレルギーの完治は難しい
動物に関する医療はここ10年ほどで大きく進歩し、いまでは動物病院も人間の病院の様に専門医化が進むほどです。
これまで獣医師個人個人がそれぞれ総合病院の役割を果たしてきた動物医療の分野で内科や外科、皮膚科などの専門医化が進み、資格制度も確立されつつあります。
この中で多くの飼い主が注目をするのは何といっても皮膚科でしょう。
辛いアレルギー症状を少しでも改善できるならと望みを託すからです。
皮膚科におけるアレルギー治療とは?
残念なことにこれだけ医療が発展をしても、現状ではアレルギーを完治させる方法は確率されていません。
現状で愛犬にしてあげられることは、アレルギーが原因で起こる辛いかゆみや不快感を軽減することだけです。
つまり傷口に絆創膏を張るような対処療法のみということです。
このことに疑問を感じる方も当然いるでしょう。
「アレルギー用ドッグフードは?」
「サプリメントは?」
「毎月の処方薬は?」
とです。
実はいずれも症状を軽減するための方法であって、根本的な治療ではありません。
安易にアレルギーへの効果を期待し、完治できると勘違いをしてしまうと愛犬に体に負担をかけてしまうことになるので、完治できないという事をしっかりと受け止めることが大切です。
アレルギーの仕組みを理解すると対処法がわかる
なぜアレルギーは完治できないのか?それはアレルギーが発症する仕組みを理解すると大変明解です。
アレルギー=容量オーバー
アレルギーの発症の仕組みはコップに入れた水に例えることが出来ます。
コップの容量はそれぞれの原因物質に対する犬の許容量を表します。
例えばラムに対して100の容量を持つコップがあるとします。
子犬の頃、さらには親世代からラムを継続して与えつづけた場合、気が付けコップは満杯になり溢れ出します。
この溢れた状態がアレルギーの症状です。
アレルギーの容量は犬それぞれ
このコップの容量はそれぞれの体質やその成分によって異なり検査で把握することはできません。
その上、薬や治療で生まれもっているコップの容量を大きくすることもできません。
食事療法や投薬による治療はこのコップの容量を大きくするためではなく、コップからあふれてしまった成分を希釈し、体への負担を軽減する役割を担っています。
この仕組みでアレルギーは起こるので、完全に治すことは決してできないのです。
誤った表記や紛らわしい表記に注意
愛犬のアレルギーに悩む時
- アレルギー対策
- アレルギー向け
- アレルギー症状の改善
という言葉につい目が止まります。
中には大変高額な製品や高額なサービスもあります。
ただどんなに高額な製品を利用してもアレルギーを完全に治療することはできません。
市販品でアレルギー完治はできない
原因となる物質の摂取を制限することで、コップからあふれることを食い止めることは可能ですが、再度同じ成分を摂取すれば途端に同じかさらにひどい症状が起こります。
完治する、治すという事は再発が起こらないような仕組み、体質を作り上げることを意味しています。
現状の市販品や薬剤ではこのような成果を出すことはできないので注意しましょう。
特にインターネット上で販売されている製品の中には、英語の和訳にミスがあり、アレルギーの完治ともとれる説明書きが添えられていることもあります。
しかし、たとえ日本よりペットに関する文化が発展しているとは言え、海外でもアレルギーを完治させる方法は確率されていないので誤解の無いよう注意しましょう。
体の内側、表側両方からのケアが効果的
アレルギーを発症すると、皮膚は乾燥し、赤みを帯び、大変デリケートな状態になります。
乾燥や細かな傷はさらなる痒みや不快感をもたらし悪循環に陥ります。
アレルギーの対処には食事療法や投薬も大変効果的ですが、皮膚表面からのケアも重要な意味を持ちます。
皮膚に適度なうるおいを刺激を与えることで、新陳代謝を活発にして皮膚のもつ再生機能を最大限に引き出します。
乾燥した大地より十分に潤った大地の方がより良い作物が育つことと同じ仕組みです。
体の内側から摂取した成分や皮膚の表面に届き、目に見える改善に至るまでには数か月もの長い時間を要します。
その間も皮膚表面は水分が不足し続け、危険な状態にさらされているので体の内側からの成分がとどくまでの間は飼い主の手で表面からのケアを手伝ってあげましょう。
乾燥しデリケートになっている皮膚には安全で安心な犬専用製品を活用し、ケアをしてあげると大変効果的です。
ぜひ家庭でのケアに取り組んであげましょう。