
愛犬のストレスや心因性の体調不良、問題行動など日々の生活には何かと気になることが多いものです。
実は犬にとって最大の苦痛は退屈な事、無視される事だと言われています。
これは犬が数いる動物の中で最も高い人間への共感能力を身に着けたからこその弊害だといえるでしょう。
愛犬との生活をもう一度振り返り、お互いが無理をせずに取り組める関係性作りを考えてみましょう。
寂しさ、不安、退屈は犬にとって最大の苦痛
群れで暮らす犬にとって最大の苦痛は「無視」をされる事だと言われています。
飼い主に声をかけてもらえないこと、触れてもらえないこと、視線を合わせてもらえないことが何よりの苦痛になります。
犬は数ある動物の中で最も人間への共感性の高い動物です。
そのため人間を群れの一員、仲間だと認識していて、中には家族とまるで同じような行動を自然と覚え、真似をすることもあります。
ただこの能力は時には犬に疎外感や寂しさ、退屈さを多いに実感させてしまうという問題もあります。
これは群れで暮らしている場合、群れの仲間に無視をされるという事は、食事を手に入れることもお互いに守りあう事も出来なくなり、命の危険にさらされることにあたるからです。
ただ子育てや家事、共働きなど忙しい毎日で愛犬のために割ける時間は限られています。
愛犬が常に満足していられるように接することは不可能です。
愛犬のためには、
- 帰宅後まずは声をかけてあげる
- できる限りスキンシップの時間を設ける
- 愛犬に視線を送る
など存在をしっかりと認識していることを伝えてあげましょう。
サークルから出す、散歩に連れ出すことが即座に出来ない時でも、声をかけ、視線を送るだけでもまるで心持ちは変わるものです。
例えわずかな時間であっても飼い主とコミュニケーションを図ることが出来れば愛犬のストレスもぐっと軽減されます。
知育玩具を活用して気を反らすことも効果的
犬が遊びに夢中になるには狩猟本能や好奇心を刺激されるきっかけが必要です。
目の前に常にあるおもちゃでは一瞬興味をそそられる事はあってもすぐに飽きてしまうでしょう。
おもちゃに飽きてしまうからという理由で寂しさを解消できるようにと多頭飼いを始めても最初の数か月はじゃれ合い遊ぶ事も多くみられますが、気が付けば遊び時間も減りお互いに昼寝をして過ごすだけになります。
できれば飼い主が出かける直前や留守中、帰宅直後など何かと慌ただしく愛犬に声をかけてあげることの出来ないタイミングだけでも一人遊びをしていて欲しいものです。
そのような場面ではオヤツを隠し入れることの出来る知育玩具がおすすめです。
知育玩具からするオヤツの臭いが愛犬の興味を掻き立ててくれます。
もし少しでも持続時間を長くしたいのであれば、大きめの知育玩具を購入し食事を知育玩具で食べさせるというスタイルもおすすめです。
犬にとっては平らな皿で食べることも知育玩具から取り出しながら食べることも違いはありません。
知育玩具から少しずつ取り出し食べる方が早食い、丸飲み食いの予防にもなり、消化吸収の負担を軽減することも出来ます。
愛犬が知育玩具を転がし食事に夢中になってくれている間にまずは帰宅直後の一休みや育児、家事を済ませることが出来れば、日々のあわただしさ、後ろめたさからも解放され、愛犬との生活が大きく変わるでしょう。
長時間の一人遊び、おもちゃ遊びはあり得ません
実は犬の知能では1つの物事に集中できる持続時間は5分~10分ほどです。
これは成犬の目安時間で、子犬はさらに短い時間でしか集中を持続することが出来ません。
どんなに凝った知育玩具を買っても、楽しそうなおもちゃを買っても長時間の留守番中、愛犬がずっと夢中で遊び続けるという事はありません。
ただたとえ家族が終日在宅をしている場合でも、何時間を愛犬と遊び続け、愛犬を退屈させないよう目を配るわけではありませんからこの点は犬の習性として理解をしてあげましょう。
大切な事は関心を持っていることを実感させること
愛犬を留守番させる場合は当然退屈な時間が続くものです。
大切な事は、留守番をさせない、できる限り短い時間になるよう家族が取り組み、お互いが負担を共有することではありません。
家族が帰宅した時、在宅している時に、
- 愛犬に声をかける
- 愛犬と同じ空間で過ごす
- 負担に感じない程度に愛犬に触れる
ことです。
家族の間で愛犬の話題が出ることも、愛犬の退屈さや疎外感を解消するには効果的です。
会話の中で愛犬の名前が上がることは愛犬自身が認識でき、自分に関心が向いていることに喜びを感じます。
愛犬のストレスを少しでも軽減してあげたいと考えると、長時間の留守番、留守番中の過ごし方が何より気になります。
ただ常に満足をさせておくことは人間同士でも困難な事ですから、お互いがお互いに関心をもっていること、大切に思っていることが伝わり、実感できるよう声がけを心がけてあげましょう。