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暑い季節になると食欲が落ちる、好き嫌いが激しくなる、食べ残しが増えるなどいつもにも増して愛犬の食事に関するお悩みが増えるものです。
少しでも食べられる物を見つけてあげたい、元気に夏を乗り切って欲しい!!と思うとつい人間同様に冷たくさっぱりとしたものを用意しがちですが、犬には暑い夏だからこそ温かいご飯を用意してあげましょう。
食欲不振だからこそ適度な温かさが嬉しい
暑い季節、犬達も夏バテや食欲不振に悩まされるものです。
元気がない姿を目にすると、なんでもいいから食べてほしいと願うものです。
こんな時人間なら、冷たい物、さっぱりした物こそ美味しいと思うものです。
では愛犬も?
実は犬は人間とは食に関する習性が違っていて冷たいもの=美味しいとは感じてくれません。
例えば
- 冷蔵庫で十分に冷やした缶詰
- 茹でた肉をあえて水でさらしたもの
- 冷たく冷やしゼリーで固めたお洒落なレシピ
もです。
犬にとって冷たいものはかえって食欲を減退させ、テンションを下げてしまいます。
愛犬の食欲減退にはあえて「温かいもの」を用意してあげましょう。
犬にとって温かいもの=新鮮なもの、美味しいもの
では、犬が美味しいと感じる温かいものとはどのような物でしょうか?
それは人肌程度に温かいもの、自然な風味があるものです。
「温かいもの」が美味しい理由
犬がこのように「温かいもの=美味しいもの」と感じる理由は野生の食性が関係しています。
野生環境では仕留めた獲物をその場ですぐ口にします。
この時まだ獲物には体温が残っていて、この状態が新鮮で安全であることを意味しています。
野生環境でもし目の前に肉があっても冷たく冷め、風味が消えた状態であればそれは他の動物の食べ残しであって、何等かの危険があるという意味です。
犬は本能から食べ物の温度でその安全性を判断できるのです。
犬好みの「温かいもの」の作り方
犬好みの「温かなもの」は、例えば茹でた肉や魚であれば、茹でた後しばらく置き自然と冷めた状態です。
水をくぐらせるとすぐに冷ますことも出来ますが、せっかくの脂肪分や風味が流れてしまうので、できれば自然と冷めた状態が理想的です。
この時、直接触れ、人肌程度にまで冷めた時が食べごろです。
犬は常に空腹状態にあるので、多少熱くても気に留めず食べてしまいますが、やけどをすることもあるのでしっかりと粗熱をとってから与えましょう。
もちろん日ごろドライフードを食べている、子犬の頃から人間の食材は与えていないという場合でもこの食性はしっかりと受け継がれています。
暑い季節、開封後の缶詰は冷蔵庫で保存しますが、愛犬に与える時は与える分量だけを小分けにし電子レンジで加熱しましょう。
食欲減退や不安定な時期は開封後の缶詰の消費期限も気になるところです。
このような時期は開封後の缶詰を一食分量に小分けにし、ラップで包み、冷凍保存をします。
与える都度、電子レンジで解凍をし与えます。この方法なら冷蔵より長期間の保存が出来重宝します。
オヤツに氷を大喜び!氷が好きなのはなぜ?
暑い季節に愛犬のオヤツに氷やシャーベットを与える、愛犬が大喜びをする!という話題を耳にすることがあります。
飲み水に氷を浮かべ与えたり、散歩から帰宅直後に氷をそのまま与えたり、果物を入れ製氷機で凍らせてオヤツを作ったり…とアレンジの方法も様々です。
犬の食性を考えた場合、冷たい氷は敬遠して当たり前とも思えますが、なぜ犬は喜ぶのでしょうか?
それは
- 普段食べ慣れない食感だから
- オヤツへの先入観、条件反射的な期待、喜び
- 野生環境では氷を食べる機会はなく、目新しいから
- 飲み水の器の中に浮かび、動く氷に興味を惹かれるから
つまり単なるオヤツとして受け入れて喜んでくれています。
犬は氷を与えると大抵は勢いよく噛み砕き飲みこんでしまいます。
あっという間に形が無くなってしまうので、すぐに次を催促しますが愛犬に促されるがままに与えてしまうと、気が付けばお腹が冷えてしまい下痢を起こすこともあるので、くれぐれも与えすぎには注意をしましょう。
食欲不振はNGのサイン!無理をさせないことも大事
犬は本来常に空腹感を感じているはずです。
犬の脳には満腹を感じる機能がないからです。
しかしそのような仕組みを持つ犬が
- 食事に関心を示さない
- 食事を食べ残す
- 食事に普段より時間がかかる
という場合は、体調がすぐれないというサインです。
飼い主としては心配が募るものですが、この時あえて嗜好性の高いフードやボリューム感のある食事を与えるとかえって犬の体に負担をかけ、悪循環に陥ります。
犬は自分の体調がすぐれない時は、あえて食事量を減らし体を休ませ、自力で回復するよう努めます。
この自然の働きを人間が無理に乱してしまうと体のリズムを崩してしまいます。
暑い時期は食欲が落ちて当たり前と捉え、当面は外出やレジャーを避け自宅でゆったりと過ごさせてあげましょう。
もし暑い時期に嘔吐や下痢、立ち上がることが出来ないなどの異変がみられた時は即座に動物病院を受診してあげることが大切です。