
愛犬は家族同然、かけがえないのパートナーという言葉がたびたび聞かれます。
犬を室内で飼うことが日本でも当たり前と考えられつつあります。
しかし、実は国内の犬の屋外飼育率がいまだに高い水準を保っていることをご存知ですか?
屋外で犬を飼うという事がどのような意味を持つのかをもう一度考えてあげましょう。
実は国内のペット犬屋外飼育率は4割を超える高水準
2000年代はじめに起きた国内のペットブームはペット産業が一億円規模を超えるほどにまで膨張し盛況でした。
このブームをきっかけに国内では小型犬の飼育頭数が急増し、ペットを室内で飼うことが当たり前と考えられるようになりました。
しかし実は平成15年にペットフード協会が実施した調査によると、犬猫の屋内飼育率は46.2%が屋内で飼育をしていて、44.2%が屋外で飼育しているという調査結果が発表されています。
それから数年が経ち、徐々に数値の変化がみられるとはいってもまだまだ日本での屋外飼育率は高い数値を保っています。
海外では牧羊に犬を用いることもあり、屋外生活をさせることもありますが、日本の様に玄関先に短い鎖で係留し生活をさせることは虐待にあたる行為とされ禁止されています。
日本では鎖による係留は認められていますが、たとえ自宅敷地内とは言え、犬を放し飼いにすることは条例で禁止する自治体があります。
つまり屋外で飼育するという事は鎖での係留もしくは檻を設置しての飼育という事を意味します。
屋外で犬を飼うという事は様々なリスクを伴う
犬の寿命が年々長くなる傾向にあり、一昔前に比べ倍近くまで長くなった背景には、屋外生活から屋内生活へ生活環境が変ったことが大きく関係していると言われています。
屋内で生活をすることで、天候や気温の影響を受けることが減り、些細な体調の変化でも飼い主が早期に発見できることが増えました。
その上、高度な医療を受ける機会も出来、これらの理由が結びついた結果、長寿という結果につながったのです。
また屋外で犬が生活することがあたりまであった当時は、
- フィラリア
- パルボ
- ジステンパー
という病気は死因の上位を占めていました。
十分な予防措置や早期治療を受けることが出来ず、常に感染の危険にさらされ生活をしているのですから当然と言えるでしょう。
しかし近年の犬の死因の上位は、
- 癌
- 老衰
- 生活習慣病
などに変っています。
飼い主が日ごろから生活環境に気を配り、良質な食事を与えたうえでも避けて通ることの出来ない病気が死因になっています。
このことからも屋外で長年生活をすることに如何にリスクが伴うかがわかります。
また近年、毎年の様に異常気象が続き、夏の日中の気温は40度を超えることさえあります。
この酷暑の中で数時間過ごすだけでも犬は熱中症を発症し命を危険にさらしています。
昔は当たり前の様に屋外で犬を飼う生活を送ることが出来ていたものですが、今や様々なことが変化しています。
愛犬の健康を第一に考え、出来る限りの配慮、工夫をしてあげる必要がありでしょう。
家族の事情も考慮しつつ共生を続ける方法は?
長年屋外で犬を飼う生活が定着していると、突然今日から室内生活に切り替えることはとても困難なことでしょう。
これは飼い主だけでなく愛犬にとっても同じことです。
締め切られた空間の中は例え空調が完備され、飼い主の存在を身近に感じることが出来るといっても必ずしも快適とは言えないでしょう。
このような場合は、
- 玄関や軒先を愛犬の居場所とする
- 窓際など風通しの良い場所に寝床を作る
- 散歩の回数を増やし、屋外から隔絶されていないことを理解させる
という方法がおすすめです。
まずはお互いに時間をかけ徐々に新しい生活に馴染んでゆきましょう。