
実は家の中には愛犬にとっての危険がたくさんあります。
中でも意外に多発しているのは「シリカゲル」の誤飲事故です。
愛犬用お菓子の袋、人間用食材の袋・・・気が付けば様々な袋の中に同梱されているシリカゲルの危険性を考えたことがありますか?
愛犬にとって、食べものの臭いが付いた袋はとても魅力的です。
いつ飼い主の見ていない隙に誤飲してしまうかもしれないという事を意識しておいてあげましょう。
食べものに同梱されている「シルカゲル」って何?
シリカゲルという名前は聞きなれないという方でも、食べものの包装容器の中に同梱されている小さな袋と聞けば思いだせるでしょう。
小さな袋には「食べるな危険」「食べ物ではありません」などの注意書きがされています。
このシリカゲルは、食べものの乾燥剤の役目を果たし、品質保持のために使用されています。
シリカゲルを専門的に説明すると、メタケイ酸ナトリウムの水溶液を放置することによって生じる酸成分の加水分解で得られるケイ酸ゲルを脱水、乾燥した物質となります。吸湿性が高く乾燥剤の効果があります。
この説明からも口にすることに適していないことは明確でしょう。
シリカゲルの危険性とは?
シリカゲルはあくまでも製品の品質保持のために用いられている成分ですから、当然口にすることを想定していません。
しかしペット用製品の場合、シリカゲルの容器にもオヤツやフードを同じ臭いが付着しているので犬は構わず食べてしまうでしょう。
飼い主が不要と思いゴミ箱に捨てたオヤツやフードの袋の中にシリカゲルの容器が残っていれば犬はその臭いから勘違いを起こし迷わず食べてしまいます。
もちろん製品の品質保持に用いられているシリカゲルは極微量ですから、一回の誤飲で致死量に至るほどの分量ではありませんが無害でもありません。
犬がシリカゲルを誤飲してしまった場合の症状を明記している企業HPなどはありませんので、人間の赤ちゃんにみられる症状でご説明させていただきます。
- 口内の腫れ
- 赤み
- ただれ
- 不快感
- 痛み
- しびれ、刺激痛
などが見らえるそうです。
症状の程度には個人差があるものの、犬でも同様の危険性を考えることが出来るでしょう。
最近ではシリカゲルの吸湿性に着目し、家庭で再利用する方法も節約法の一種としてネット上に多数紹介されています。
しかし万が一でも愛犬や小さな子供が口にしてしまう危険性がある場合は安易にリサイクルを考えずに、シリカゲルの容器は未開封のままで破棄することをお勧めします。
もし愛犬が食べてしまった場合の対処法は?
もし愛犬が飼い主の見ていない隙を狙い、ゴミ箱にイタズラをしたり、オヤツ置き場から勝手にオヤツを持ち出すようなことがあった場合は、叱ることよりもまずは安全確認を優先してあげましょう。
- 摂取量はどの程度か?
- 容器ごと丸飲みしてしまっていないか?
- 口内や口周りに異変がないか?
- 嘔吐など急激な体調の変化がないか?
小型犬であれば容器を齧り、穴をあける程度で済むので摂取量はごく微量で済みますが、中、大型犬の場合、オヤツやフードに似た臭いがすることから容器ごと丸飲みしていることも考えられます。
もし目の前で愛犬のイタズラを発見した場合、
- 叱る
- 追いかける
- 抱き上げる
- 無理やり口をこじ開ける
という行為を取ると、愛犬はパニックを起こし無理やりにでも容器ごと飲みこもうと考えかえって危険です。
飼い主は落ち着いて、冷静に対処しましょう。
オヤツやフード、散歩用リードなどで愛犬の意識を反らせ、そっと回収できると安全です。
もし食べてしまった場合でも異物として便と一緒に排泄されることが大半ですが、中にはごくまれに容器の尖った部分が食道や胃腸を傷つけてしまい嘔吐や出血を起こすこともあります。
愛犬が何度も嘔吐を繰り返す場合、吐瀉物に現物がまぎれていない場合、下痢が続く場合は動物病院を受診し適切な処置を受けてあげましょう。
日ごろからゴミ箱は厳重な管理が必要
愛犬にとって様々な臭いがする上に、飼い主が日々食べ物や臭いの着いた容器を捨てるゴミ箱はまさに魅力的な「宝箱」に見えています。
一見無関心を装っているように見える愛犬でも、飼い主の隙をつきイタズラをしたいという衝動は常に抱えています。
ゴミ箱のイタズラによる誤飲はシリカゲルに限らず、ネギ類やチョコレートなど様々な危険をはらんでいます。
家庭でのゴミ箱の管理は、
- 蓋つきのもの
- 重量感があり犬が倒すことが出来ないもの
- 犬の背丈が届かないもの
- 臭いが漏れないもの
という点を基準に選び、もし危険性を感じた場合は即座に買い替えをお勧めします。
誤飲事故は年齢を限らず多発する危険なものです。普段は「いい子」でも油断は禁物です。