
世界はたくさんの不思議でユニークな犬がたくさんいます。
日本で見かける外国原産の犬達は、ペットとして人気が出る、飼いやすいという視点で選ばれているので比較的美形ぞろいですが、海外ではその地域特有の個性を持った犬がたくさんいます。
ここではユニークな犬のごく一部をご紹介させていただきます。
なぜか毛が生えないチャイニーズクレステッドドッグ
チャイニーズクレステッドドッグという大変珍しい犬種に会ったことがありますか?
最近徐々に国内の繁殖家の方も増え、ペットショップの店頭で見かける機会も増えつつあり犬です。
この犬の特長は何といっても頭部以外に被毛が生えないという事です。
頭部には鶏のとさかの様に豊富な被毛が生え、長く伸びています。
しかし頭頂部以外の被毛はまるでなく、ほぼ地肌です。
実際には産毛のような短い被毛が密集し体を覆っていますが、触れた感触は皮膚そのものです。
この犬種がなぜこのような特徴的な風貌をしているかは、研究者でも解明できていない、犬の七不思議とさえ言われるほどです。
チャイニーズクレステッドとは、
【原産】中国
【体高】約28~33cm
【体重】約5.5kg
とトイプードルと同じくらいのサイズの小型犬です。
骨格は細く、足が長いスマートな体形はトイプードルによく似ています。
この犬種は誕生の時も大変ユニークな特徴があり、同胎の兄弟に必ず1匹は全身が被毛で覆われた子犬が誕生します。
これは他の子犬が寒さを感じないように被毛を持つ子犬が保温材の役割を果たすためです。
なぜこのような珍しい誕生の方法をとるのかもまだ解明されておらず、他の犬にはない特徴でもあります。
ペットショップの店頭には、頭頂部にしか被毛がないタイプと全身に被毛があるタイプの両方が並びます。
どちらも同じチャイニーズクレステッドドッグですからご安ください。
なぜかサル顔なアーフェンピンシャー
ブサカワという言葉が流行っているのは犬の世界でも同じです。
ブルドッグ系の顔がつぶれた顔立ちは愛嬌があると大人気です。実は数ある犬種の中でもダントツにブサイクと言われてしまう犬種がいます。それはアーフェンピンシャーです。
アーフェンピンシャーは、
【原産】ドイツ
【体高】約25~30cm
【体重】約3~4kg
とチワワほどのサイズの小さな犬です。
この犬の特長は顔立ちがサルに似ているという点です。
この犬種は小型の愛玩犬でありながら、毛質が剛毛で艶がありません。
また顔周りはしっかりとした被毛で覆われていて、鼻髭や顎髭のような口吻の長い毛や目の上に生えた眉毛のようなブラシ状の毛がチャームポイントとされています。
日本で人気の愛玩犬とはまた違った傾向を持つ犬種としてたびたび注目を集めています。
性格は穏やかで知能が高く、飼い主にも従順で飼いやすい犬種ですが、その風貌から日本では飼育頭数が大変少なく、出会うことが出来たら奇跡とも言われるほどです。
まるでタヌキのような体形がチャーミングなスキッパーキ
真っ黒な被毛とすらっとした鼻筋、丸みを帯びた体形はまるでタヌキ?と勘違いされてしまうこともあるスキッパーキ。
スキッパーキは、
【原産】ベルギー
【体高】約25.5~33cm
【体重】約5.4~7.3kg
とシュナウザーくらいの大きさです。
この犬種はベルギーでは王族のペットとして寵愛を受けたこともありましたが、一時期は頭数が激減し、今では希少な犬種とさえ言われています。
スキッパーキは「黒い弾丸」と言われるほどに実は活発な犬種です。
王族の愛玩犬と言っても決して穏やかで、おとなしい犬種ではないので、日本でペットとして家族に迎える場合は、散歩中の脱走には十分に注意し、安易にノーリードにしてはいけないことを心がけておきましょう。
残念ながら日本でこの犬種を繁殖されている方はごくわずかで、ペットショップに並ぶことはないでしょう。
安易に海外から輸入をしないことも大切
近年、インターネットやSNSが日常のツールとなった事で、これまでよりスムーズに海外とのやり取りが出来るようになりました。
その結果、日本では飼育登録がされていない犬種や日本で知名度の低い犬種を海外から個人輸入するケースが相次いでいます。
これまでそれぞれの国の固有種に会うためには、現地へ足を運んだり、現地で開催されるドッグショーへ参加をすることが唯一の方法でしたが、今やスマホで簡単に写真をやり取りすることも出来ます。
もちろん海外から犬を輸入することでより優れた血統を輩出するという手法もありますが、安易な輸入にはリスクが伴う事をしっかりと考えておきましょう。
犬は長い年月をかけ、それぞれの地域の環境や気候、人々との暮らしの中で進化し、固定種として確立されています。
そのような歴史を度外視して、安易に種を移動させてしまうと本来の特性に合わない異種が誕生することになります。
犬にはそれぞれの犬が過ごすべき場所があることをしっかりと受け入れてあげましょう。