
愛犬の飲み水は水道水?それともミネラルウォーター?
ふと気になることがあります。
ウォーターサーバーを設置するご家庭も増える中で愛犬にベストな選択とは何でしょうか?
飲み水は愛犬の健康を守る大切な栄養素です。
しっかりと基本を知っておいてあげましょう。
愛犬には水道水が正解!日本の水道水は安全性が高い
愛犬に毎日与える飲み水、ドッグフードをふやかす水、手作りご飯に使用する水は全て水道水が正解です。
ミネラルウォーターやウォーターサーバーの水をあえて使用する必要はありません。
日本の水道水の品質は世界でもトップレベルで安全です。
そのためあえて有料の水を与える必要はありません。
もちろん水道水を与える理由は費用が理由だけではありません。
実はミネラルウォーターを与え続けることで、オス犬は尿道結石を発症するリスクが高まることも理由です。
愛犬の健康を考え与えたミネラルウォーターが、愛犬の体に負担をかけてしまうことをしっかりと知っておいてあげましょう。
ミネラルウォーターには軟水と硬水がある
ミネラルウォーターには軟水と硬水の2種類があります。
コンビニや量販店で飲料用に販売されている製品は軟水と呼ばれる種類が大半です。
一方の硬水はダイエットや美容用品に多く用いられる種類で、飲んだ時の特有の風味が特徴的です。
エビアンやコントレックスという製品は硬水の代表的な製品として有名です。
このミネラルウオーターの種類は、成分に含まれるカルシウムとマグネシウムなどの含有量によって、軟水と硬水が区別されています。
硬度が0~60mlまでが軟水、120ml以上が硬水です。
内の水道水は軟水に調整されています。
ヨーロッパ地域では水道水自体が硬水です。
硬水に含まれる高い濃度のカルシウムとマグネシウムは美容や健康に注目される成分ですが、犬が摂取した場合、本来の必要量を上回り摂取してしまい過剰摂取が起こりやすくなります。
この成分は尿道に出来る結石の成分と同じです。
尿道結石が出来ると排尿の度に辛い痛みがあり、服薬の必要も生じます。
病気予防の観点からも飲み水は水道水が良いでしょう。
この尿道結石の仕組みは犬だけでなく猫も同様です。
多頭飼いで猫を飼っている場合猫の飲み水も水道水にしてあげましょう。
辛い尿道結石はどんな病気?
尿道結石とは腎臓でろ過された不要物が本来であれば尿と一緒に体外へ排出されるはずが、尿で流しきれずに尿道内に蓄積してしまうことで起こる病気です。
もちろん微量であれば問題はありませんが、毎日原因物質を摂取し続けることで次第に不要物が塊になり、次第に小さな石状になります。この石を結石と呼びます。
結石はわずか数㎜ですが、排尿時に尿道内で転がることで激しい痛みや出血を招きます。
初期の時点で発見することが出来れば飲み薬で結石を解かし、尿と一緒に体外へ流しだすことが出来ます。
しかし発見が遅れたり、症状が重い場合、薬では処理はできず手術で取り出す処置をします。
もちろん一旦は薬や手術で取り除くことが出来ても、術後も同じ成分の摂取が続けば数か月で再発をします。
尿道結石の発症理由は体質や食生活も関係しているので、必ずしもミネラルウォーターが原因ではありませんが病気予防の意味からは控えておくと安心です。
また尿道結石の予防や再発防止には特定の成分が尿道内でかたまり、結石になる前に体外へ流しだしてしまう事が最も確実です。
尿道結石の予防法
尿道結石を予防するには、
- 水分摂取量を増やす
- 排尿の回数を増やす
という方法が効果的です。
水分摂取量を増やす方法は
- 手作り食を与える
- ドッグフードに茹でた野菜をトッピングする
- ドライフードをふやかし与える
などの方法が効果的です。
排尿の回数は
- トイレシートを設置する
- 散歩の回数を増やす
という方法です。
大抵の場合、排泄は朝夕2回の散歩で済ませているでしょう。
ただこの状態では長時間排泄を我慢する状態が続きます。
こまめに排泄をさせることでより確実に結石の原因を洗い流してしまいましょう。
トイレシーツに微量の血液が付いていたり、排尿時に鳴き声を上げる、排尿をためらうなどの様子が見られた時は発症、再発の可能性を考え動物病院を受診してあげましょう。
硬水で暮らす欧州の犬たちの尿道結石は?
ちなみに、ヨーロッパでは生活用水自体が硬水です。
そのため犬猫も日常的に硬水を摂取しています。
ただ日本の様に尿道結石が多発していない背景には、その地域で生活するための体質を持ち合わせていること、日本のように長時間の排泄の我慢をすることが少ないことなども理由として考えられています。
ミネラルウォーターが犬の有害である、与えてはいけないという言葉はきちんとその意味を理解しておくと正しく使い分けることが出来ます。
もし外出先などで愛犬用に飲み水を購入する場合は、軟水と記載されて製品を購入すると日ごろの水道水同様に安心して与えることが出来ます。