
最近寝てばかりいる・・・散歩もあまり喜ばない・・・足腰に痛みが・・・シニア期を迎えた愛犬を目の前に少しでもなんとかしてあげたい、負担を軽くしてあげたいと誰もが思うでしょう。
かといって通院や服薬は愛犬が必ずしも好意的に受け入れてくれるわけではありません。
体の不調を抱えた愛犬には時には痛みを軽減する緩和ケアが適していることもあります。
犬の長寿化を受けて最近話題の手法をご紹介させていただきます。
人間同様の腰痛を抱える愛犬には「アイシング」が効果的
人間も中高齢期を迎えると足腰に痛みが走ることが多々あります。
慢性化すると日常生活さえ憂鬱になり、気持ちもふさぎがちです。これは犬にもまるで同じ症状が起きています。
犬の場合は、
- 運動不足
- 肥満
- 加齢による筋力の低下
- 本来の骨格の形状(ダックスやコーギーなど)
- ヘルニア
などがその原因です。
犬は多少の痛みを抱えていても、その痛みを表に現わすことをせずじっとこらえ極限まで自力生活を貫こうとします。
そのため犬がもし飼い主にも伝わるほどの表情や仕草で痛みを訴える場合は、命に係わるほどに重篤な症状であると理解してあげましょう。
この痛みを軽減するためには、動物病院で痛み止めを処方してもらう、神経系への治療を施すという選択も可能ですが、治療を継続することで次第に効果は薄れ、より強い処置が必要になります。
当然、愛犬の体への負荷は増大し今度は別の症状を引き起こすでしょう。
このような場合はとても単純な方法ですが、患部の「アイシング」で炎症を鎮め、痛みを軽減してあげる方法も効果的です。
散歩や軽い運動の後、愛犬がリラックスしている状態でタオルに包んだ保冷剤を患部に当てそっと冷やしてあげるだけの簡単な方法です。
患部の炎症が痛みの原因となっているので、炎症をより早く鎮めることで痛みを軽減出来ます。
この方法なら家庭でも簡単に施すことが出来る上に、愛犬への過度な負担を招く心配もありません。
長寿化を受け今、東洋医学の発展が目覚ましい「犬の鍼灸治療」
これまで動物医療の分野は西洋医学が主流であり、東洋医学を用いる動物病院はほとんど目にする機会がありませんでした。
しかし近年の犬の長寿化、西洋医学の発展、高額化を受け、痛みの緩和に主軸をおいた東洋医学への関心が高まっています。
- 癌の発症
- ヘルニアによる歩行困難
- 寝たきり
- 持病の悪化
など慢性化し治療に長期間を有する症状に東洋医学の鍼灸治療を用いることで痛みを和らげ、負担を軽減するのです。
西洋医学は完治への最短距離をたどる反面、麻酔などリスクも大きく、高齢犬には適していないことも多々あります。
痛みを薬剤で一時的にごまかしても根本的な解決には至りません。
しかし東洋医学なら高齢犬の体調に配慮して、リスクの少ない方法で痛みを取り除き、残された時間を出来る限り有意義に過ごす手助けが出来ます。
近年、東洋医学を用いる動物病院も増えているので、鍼灸治療をぜひ選択肢に加え健康管理を考えてあげましょう。
様々な効果を引き出すことの出来る「マッサージ」
高齢になると身体機能は低下し様々な不調が目立つようになります。
しかし病気と言えるほどの不調でもない限り、通院をすることも躊躇してしまい、家族としてもやりきれない思いを抱えるでしょう。
そのような時はぜひ緩和ケアのためのマッサージを施してあげましょう。
愛犬にとって、飼い主が施してくれるマッサージは何より快適で緩和ケアに効果的です。
例えばマッサージをする方法は、
- 慢性的な便秘や排泄困難がある場合は「おへそ周りの刺激」で腸の活発化を
- 皮膚トラブルが気になる場合は「全身刺激」で血行促進を
- 歩行時の痛みが気になる場合「関節周辺の刺激」で血流改善を
- ヘルニアを患っている場合は「下半身の刺激」で筋肉の刺激を
緩和ケアのためのマッサージと聞くと難しい、専門知識がないと身構えてしまいがちですが、そのような心配は一切無用です。
体のこの部分を何回刺激しなければいけないという原則はありません。
愛犬の様子を見つつ、家族に負担にならない程度で取り組むことが何より重要で効果的な方法です。
テレビを見ながら、ちょっとした空き時間に愛犬の体に触れる機会を作ってあげましょう。
愛犬にとってはマッサージを受けることで患部が刺激され、痛みが緩和される上に、飼い主とのコミュニケーションが図れることで精神的な満足感も得ることが出来ます。
長年共に暮らしている愛犬ですが、気が付くと全身を撫で癒してあげる機会が意外に少なくはありませんか?
一回数分のわずかなマッサージでも十分な効果があるのでぜひ今後取り入れてあげてください。