
並みいる人気犬種の中で、常に不動の人気を誇る柴犬ですが実は特有の気質があり、些細なことで絶叫をするというお悩みがあります。
賢く、飼いやすい面もあるものの、絶叫にお困りの場合は無理をしすぎてしまう前にプロに相談をしましょう。
日本犬特有の耐え忍ぶ気質
柴犬は日本犬の中でも最も小柄で、凛とした立ち姿と飼い主への忠実さ、家族だけに見せる甘えた仕草で常に人気犬種上位にランクインされる犬種です。
最近では海外でも注目を浴び、飼育頭数が増加傾向にあります。
ただ特有の勝気な気質が影響し、なかなか繁殖が難しい事もあり、飼育頭数自体は減少傾向にあります。
柴犬は、生後間もない子犬の時期から、
- 頑固
- 臆病
- 人見知り
- 警戒心が強い
という日本犬特有の気質が強くみられます。
最近では、ペットとして室内で生活をすることを想定し、このような気質をできる限り解消できるよう、社交性、友好性を持つ性質を受け継ぐよう繁殖に取り組む方も増えてはいますが、まだまだ根本的な部分ではゼロではありません。
その反面、家族には全幅の信頼を寄せ、生涯を通じて家族ととても良い関係を築くことが出来ることも日本犬の魅力です。
このような気質を柴犬が持つことは、実はあまりよく知られていない、理解されていないケースが近年増えています。
ペットショップに並ぶプードル、ダックス、チワワといった洋犬の人気犬種と同列に柴犬をとらえ、家族に迎えた場合、その根本的な気質の違いに驚かれるようです。
柴犬には、日本犬にしかない特有の気質が或ることを十分に理解し、「周りと同じように」「他犬と同じように」と無理難題を望むのではなく、本来の良さを引き出してあげましょう。
実は、柴犬、日本犬と洋犬との大きな違いは危機に直面した時に明確に現れます。
例えば、爪切りです。
洋犬の場合、爪を切られることが苦手だとアピールするために暴れ、叫び、噛みつくことがあります。
もちろんこの行動は相手への意思表示であり、力加減を考えたうえで行っているアピール行動です。
ただある程度のラインで妥協し、諦め、指示に従うという流れになります。
しかし柴犬や日本犬の場合、この事前のアピール行動がなく、自身の限界値に達するまではただじっと耐え忍びます。
微動だにせず、表情も変えずにじっと立ち尽くし、相手のなすがままに従います。
しかしあるとき、自身の限界値に達した瞬間に絶叫や噛みつきという突発的な行動を見せます。
あまりの絶叫ぶりに相手がその手を放し、作業を中断し、時には危険を感じることもあるでしょう。
この場面での噛みつきには、威嚇や力加減はなく、完全な本気噛みなので大怪我になることもあります。
つまり柴犬は日本人特有の「空気を読む」「相手の感情を察する」「言葉に出さなくても通じる」という気質を持っているのです。
室内生活には定期的なお手入れが必須
苦手なこと、嫌なことなど限界値に達した時の柴犬の絶叫ぶりは、飼い主の想像を超えるほどで、トリミングショップでは虐待を疑われることもあるほどです。
しかしよく確かめてみると、まだ爪切りが爪先に触れてもいないタイミングで絶叫をしていることやシャワーで体の一部を濡らしただけという事もあるほどに、ある意味大げさな行為なのです。
その為、プロトリマーの中には様々な方法で絶叫を無視して作業を継続するという場合もありますが、家庭でお手入れを行う場合、無暗に無視をすることで関係性が悪化することもあるので注意が必要です。
柴犬と室内で生活をするためには、
- シャンプー
- 爪切り
- 肛門腺絞り
- ブラッシング
が月に1度程度必要になります。
柴犬は短毛種だからといって抜け毛が少ないわけではなく、かえって洋犬よりも抜け毛が多いほどです。特に、春秋の換毛期の抜け毛は飼い主の想像以上でしょう。
また力も強いので定期的に爪切りを済ませておかないとフローリングや畳を傷つけることにもなるので注意が必要です。
これらのお手入れをスムーズに行うためにも、絶叫してしまう場合は早期に対処法を考える必要があります。
過剰な絶叫癖は次第に噛みつきへと進化します
柴犬は本来家族をとても大切に思い、生涯忠誠を誓っています。
つまり絶叫をするという事は、「これ以上攻撃をしないで欲しい」「限界値を越えると、条件反射的に噛みついてしまうので、先に避難して欲しい」という愛犬からのSOSのサインなのです。
誤った対処法、しつけ法で犬との関係性を悪化させてしまい、家族が怪我を負う、気軽に触れることもできないという状態になる前に、ドッグトレーナー、訓練士へ相談をし愛犬にも、家族にもベストな方法で今後の接し方を見出してあげましょう。
ドッグトレーナーや訓練士にはそれぞれの手法があり、犬との接し方においても様々な方法があります。
ぜひ様々な方の話を聞き、実際に会いお互いが納得したうえで、愛犬のしつけ相談ができるパートナーを見つけてください