
アレルギーやアカラス、真菌と犬の皮膚トラブルの中には症状が治まるまでに半年、一年と長い期間がかかる病気があります。
この治療期間中、つい治療方法を変えるべきだろうか?薬が体質に合わないではないだろうか?と悩むものです。治療に迷いが生じた時の対処法について考えてみましょう。
体調不良の治療には原因の特定が必須
犬の体調不良、皮膚トラブル、過剰な脱毛など気になる症状がある時は、まず動物病院を受診し、その不調の原因を突き止める事から始めましょう。
動物病院ではまず飼い主からのヒアリングで病気の原因を探ります。
この時気になる症状をいかに的確に伝えきる事が出来るかが重要です。
たとえば気になる症状として
- かゆみ
- 脱毛
というだけ伝えた場合、まずはアレルギーを疑います。でも実際にはこの症状の他に
- 食欲不振がある
- 兄弟犬や同居犬がアカラスや真菌など伝染性のある病気を発症している
- キャンプなどアウトドアに出かけた
などがあれば合わせて伝える必要があります。
これらの情報が付け加えられたことで、血液検査、皮膚組織の検査が必要だと判断出来ます。
血液検査では、特定の成分に対してアレルギー症状が起こるかどうかを判別します。
決してあらゆる成分に対しての結果を判別するものではありません。
具体的には、食物に関する血液検査をする場合、
- 牛
- 豚
- 鶏
- ラム
- とうもろこし
- 大豆
などドッグフードの主要な成分に関してアレルギー発症リスクが如何に高いかを数値で判定します。
つまり検査項目に含まれていない成分に関しては判定がされないという事です。
犬の中には食器や首輪に使用される金属にアレルギー反応を起こす体質の犬もいますが、食物に限定した血液検査の場合、金属アレルギーの有無を判別する事が出来ません。
このようにアレルギーや病気の原因を正しく特定する事はとても難しく、時には数回の検査が必要になることもあります。
原因特定ができない場合はセカンドオピニオンを考えよう
治療や投薬、食事制限による体質改善には2,3カ月もの期間を要する事があります。
この間、何度も通院をしたり、毎食薬を飲ませたり、療法食を購入したりと何かと費用もかさみます。
長引く治療に治療方法が愛犬に合っていないのでは?他の病院を受診した方がいいのでは?とつい考えてしまいます。
このような時は、獣医師に病状の原因となるものが一体何か?を確認しましょう。
もし原因が特定出来ておらず、対処療法を行っているのであれば、セカンドオピニオンを考えてみましょう。
医療の分野においては人間ももちろんセカンドオピニオンの必要性が提唱されていますから、動物病院も同様です。
治療や薬剤に不安を感じたり、迷いがある時は積極的にセカンドオピニオンを受けましょう。
セカンドオピニオンの為に新たな動物病院を受診する時は
- 血液検査の結果
- これまでの治療期間、症状、使用している薬剤について正しく伝える
- 毎日食べているドッグフードや食事に関する説明をする
- 愛犬の症状の経過を写真で説明する
などの準備ができているとスムーズです。
説明が難しい場合は薬剤や薬剤名の記載された袋、ドッグフードのパッケージなどを持参してもよいでしょう。
診察の中で血液検査が新たに必要になる事もあります。
このような場合はこれまでに検査項目に含まれていなかった成分に関しても判定をするとよいでしょう。
検査の結果、原因、治療法、使用する薬剤に変化がない事もあります。
そのような場合、犬のストレスを軽減する事を第一に考えいずれの病院で治療を継続するかを考えてあげましょう。
検査の結果、これまで見つかっていなかったアレルギー物質が見つかる事や細菌が見つかることもあります。
犬の検査は一度では100%の結果を得られない事もあります。
菌や病気の症状が愛犬の健康状態、栄養状態、精神状態によって変動するからです。
必ずしもこれまで受診していた病院で見落としがあったという事にはなりません。
また前回の検査結果を踏まえてより専門性の高い検査を行った事で原因が見つかる事もあります。
いずれにしても、より早期に治療を切り上げる事が出来るかを考えてあげましょう。
早期完治を目指すためには、生活の見直しも併行を
犬のつらい症状の改善には、犬自身の治癒力を引き出す事もとても効果的です。
薬剤に頼る方法は即効性がある反面、内臓機能への負担も生じます。
長引く事でかえって悪循環に陥る事もあります。
天気がいい日には積極的に犬を散歩に連れ出しましょう。
時間がある時はぜひ犬とおもちゃで遊んだり、色々な芸を教えたりとコミュニケーションを取りましょう。
食事は良質で栄養価の高ものを用意してあげましょう。
このような極基本的な生活を送る事で次第に愛犬自身の活力が沸き上がり、本来持つ免疫力が向上するものです。
病は気からという言葉は愛犬にも通用するのです。