
トリミングショップ選びをするとき、近くに新しいトリミングショップがオープンした時、まずは価格、サービス内容を比較検討するでしょう。
この時、意外に店ごとに金額設定の差があり、どちらを選ぶべきか迷うものです。ここでは気になるトリミング゙料金の算出法をご紹介させていただきます。
犬より猫の方が高額設定なのはなぜ?
大抵のトリミングショップでは犬のトリミング料金よりも猫のトリミング料金が高額に設定されています。
中には長毛種の猫の全身カットに15000円、20000円と驚くほど高額な設定を行っている店もあります。
気になってはいるものの、なかなか聞くことが出来ないこの金額設定の意味は、猫の方が作業時間、人件費がかさむという理由が関係しています。
一般的にプロトリマーと呼ばれる方々は1頭の犬のシャンプー、カットの作業すべてを一人ですべて完了させます。
時には3時間、4時間と作業時間が長くなり、休憩もせずに継続して行う事もありますが、犬に負担をかけないためにも基本的には全て作業を一貫して行います。
しかし猫の場合、特殊な軟体性と突発的な行動のため、作業をするには猫の四肢、体を固定するためのトリマーが1名、実際にバリカンでカットをするトリマーが1名と2人体勢での作業が必要になります。
つまり同じ所要時間でも犬に比べ倍の人件費が必要になるのです。
また猫は、一見おとなしくトリミング作業を受け入れているように見えても、ほんの一瞬の隙を見て脱走をすることがあります。
もし扉の開閉のタイミングで屋外に脱走をしたり、他犬の声に興奮をしたりという事があっては一大事ですから、店によっては猫の作業中は貸し切り状態にせざるをえないこともあります。
このような理由から、猫のトリミング料金はとても高額に設定されることが多いのです。
プードルの方がラブラドールより高額なのはなぜ?
猫についで高額な料金設定となるのがプードルです。
プードルのカットはプロトリマーの中でも上級テクニックを必要とする高度な仕事です。
またトリマーそれぞれの個性が大きく表れる作業でもあります。
世間でカリスマトリマーと称される方の中には、プードルのカットを20000円、30000円という金額で請け負っている方もいるほどです。
このプードルに比べ、大型犬のラブラドールは半額ほどの料金設定の場合があります。
大型犬なのにと感じることもあるでしょうが、実はこの違いは単なるサイズの違いではなく、トリミング途中の工程に意味があります。
プードルの場合、シャンプー後のドライヤーでいかに被毛をまっすぐに伸ばしブローをするかでその後のカットラインの仕上りが大きく変わります。
全身を均一にかつ短時間でブローをするテクニックは見習いトリマーでは不十分なほど難しいテクニックが必要になります。
その為、ドライヤーのために1時間もトリマーが付きっ切りで作業をすることも珍しくありません。
しかしラブラドールの場合、シャンプー後はタオルドライをし、BOX型ドライヤーに入り、中でおとなしくくつろいでいてくれるだけでしっかりと乾燥が完了します。
つまりトリマーが付きっ切りで作業をする時間は30分ほどで済むのです。
この違いがそのまま価格設定に反映されている結果が大型犬が安く、小型のプードルが高いという価格設定のからくりです。
大型店と個人経営店では大型店の方がサービスがいい?
トリミングショップには大手企業が運営する全国チェーンの店舗もあれば、トリマーが自宅を改装し個人で運営をする小規模な店舗、移動式の専用車で顧客宅を訪問するスタイルなど様々な種類があります。
この時、大抵の場合、大型店舗の料金設定は高額で、個人経営の方が安価に設定されています。
大切な家族である愛犬を託すのですから、安全な作業かどうかは大切な判断基準ではありますが、実は必ずしも料金設定が高額なことが安全の保障ではありません。
大型店舗の場合、物件の賃料、光熱費、広告宣伝費など店舗運営には相当は経費が生じます。
この経費を回収するためには当然のことながらトリミング料金に上乗せする必要があります。
でも地域密着で小規模な店舗を運営している場合や自宅を改装している場合、このような莫大な経費を上乗せする必要がない分、実質の作業費だけで価格を設定することが出来ます。
つまりどちらの店舗も実質的な費用は変わらないものの、添加する費用がどれだけあるかという違いなのです。
地域密着で店舗を運営するには、確かな技術と丁寧な接客、プロとしての姿勢が求められます。
トリマーの世界は看板よりも人柄と言われる世界ですから、ぜひお気に入りのお店を見つけてみてください。