
抜け毛対策にはこまめなブラッシングを、垂れ耳の犬は定期的に耳掃除を、食後には歯磨きをと犬のお世話項目がますます増える傾向にあります。
犬ってこんなに手がかかるのかと不安を感じてしまう方もいるでしょう。でも実は犬には噛みつき癖がり、お手入れが何もできていないという方はいませんか?
食事と散歩だけでは済まない犬との生活
犬と暮らすうえでは家族として当然すべきお世話があります。
犬との生活で必要なお世話と言えば毎日の食事と散歩だけだと思っていた方も当然いることでしょう。
でも実際には
- ブラッシング
- シャンプー
- 爪切り
- 耳掃除
- 肛門腺絞り
- 歯磨き
といろいろな項目があります。
もちろんこれらのお手入れはお互いが慣れてしまえば毎回5分、10分で終えることが出来さほど負担に感じるものではありませんが犬が噛みつく、うなるなどの態度を示す場合なかなか作業が進まない上に、恐怖心、ストレスさえ感じます。
犬の中には日ごろは飼い主さんにとても甘え、抱っこをせがむことも多いものの、特定の行為にだけ敵対心をむき出しにすることがあります。
つま先や口元に飼い主が触れた時、ブラシを持ち出した時など急に態度が変わり、遠慮もなく噛みつくことがあります。
このような問題行動を解消しようと思うとつい犬を強く叱ってしまいがちですが、叱ることはかえってお互いの関係性を悪化させてしまうので注意しましょう。
このような場面で犬を叱るとまるで喧嘩、怒鳴り合いをしているような状態になります。
でも相手が感情をむき出しに起こっていても、片方が冷静に対処し向き合っていればそれ以上関係を悪化させずに済みます。この仕組みは常に心に留めておきましょう。
噛みつく理由は「手が嫌い、怖い」から
犬は本来温厚な性格で共に暮らす仲間に牙をむくようなことは決してしません。
そのような本能に逆らい牙をむく、噛みつくという事は相当耐えがたく、危険だと感じているからです。
犬が咄嗟に家族に噛みつくという場面は大抵の場合イタズラをしよう、攻撃をしようという思いがあるわけではなく、条件反射的な行動です。
その為噛みつきも一撃で終わり、逃げる家族を負いかけてまで攻撃を続けることはないでしょう。
このような条件反射が起こるには、必ずその原因、トラウマとなる行為が過去にあったはずです。
家族にとっては気にも留めないような些細な出来ごとが愛犬にとっては命の危険さえも感じるほどの重大事だったのでしょう。
その原因として考えられるのは「人間の手」です。
過去に手を振りかざし犬を叱ったことがある、手でお仕置きをしたことがある、手で愛犬の鼻やつま先など急所を強く握ったことがあるなどの場合、犬は子犬の頃の出来事であってもしっかりと覚えていて、不意に記憶が呼び戻された瞬間に手を攻撃し、自らを守ろうとします。
中には自分自身の記憶、経験ではなく母犬や兄弟は手による恐怖を感じる場面を目にしたことで、自らも同じ記憶を持つようになることもあります。
このようなトラウマは決して数日で解消できるほどに簡単なものではありませんが、共に暮らす中で必ず解消出来ます。焦らず、追い込まずに犬の記憶のリセットに付き合ってあげましょう。
「手が大好き、怖くない」と思い込みをリセット
犬の人間の手に対する思い込みをリセットするためには、手が大好きになるような仕組みを考えてあげると効果的です。
一番簡単な方法は手と食事、おやつを関連づけることです。
いままで器に入れ与えていた食べ物を手のひらに乗せ与えます。手に恐怖心がある場合最初は戸惑い、口をつけることが出来ないでしょう。
でも何度も根気強く付き合ってあげるうちに次第に手に対する警戒心が解け手のひらから食べ持物を受け取ることが出来るようになります。
こうなると次第に手が近づくこと、手でお手入れをされることに抵抗を示さなくなります。
ただお手入れの最中に痛みや出血をさせてしまうとまたトラウマ状態に逆戻りしてしまうので、お手入れは丁寧に慎重に進めることが大切です。
たとえかわいい犬であっても手のひらを舐められることに抵抗を感じる、噛みつきが怖くて手のひらを差し出せないという方もいるでしょう。
そのような時は、器に食べ物を入れ器を持ってあげるだけでもだいぶ効果があります。器は愛犬にとってとても大切なものですから、その器を持ち犬の前に差し出すだけでも徐々に変化が見られるものです。
しつけや問題行動の解消には様々な手法があるので、無理をせずお互いがスムーズに取り組むことが出来る方法を選択しましょう。
手に対する犬の警戒心、恐怖心が払拭されると次第に手を怖がらなくなり、日ごろのお手入れもスムーズにできるようになります。この方法は時間がかかることもありますが必ず変化がみられ結果が伴う方法なのでぜひ挑戦をしてみてください。