
レトルトパック、缶詰、チューブ包装などドッグフードが多様化する中で、冷蔵保存が必須な製品も多々あります。
実は犬にとって美味しいと感じる食べ物は体温ほどに温かいご飯です。
犬の食欲不振、好き嫌いが心配な時はぜひこの簡単な方法をお試しください。
美味しいご飯は体温程にあったかい
食品を冷蔵庫で保存し、適度な冷たさの残る中で食べることはあくまでも人間の食性です。
犬には野菜も魚もこの冷たい状態で与えてもまるで味気なく感じてしまうのです。
犬には人間と同じ食性は当てはまらないので、犬の食にお悩みがある方はまずこの点を改善してあげましょう。
この仕組みは犬の食性を考えてあげると解明出来ます。
犬は本来野生の環境で、獲物を仕留め食べているからです。
仕留めた直後の獲物はまだ体温が残り、適度な暖かさがあります。
犬はこの温度を感知することで獲物の鮮度を確かめ、安全かどうかを判断しているのです。
犬には脳内機能に満腹中枢機能がないので、目の前に獲物があればすべて食べつくす習性があります。
そのためたとえ満腹な状態であっても食事を中断したり、食べ残したままその場を立ちさるという習慣がありません。
もし偶然目の前に置かれた食べ物が冷たく、硬かった時、犬はその食べ物を危険なものとして感知します。
冷たいという事は、犬が本能的に考えることは、この食べ物は他の動物が何等かの理由で食べようとしなかったものという意味になり、口にすることで自分にも危険が生じる可能性があると判断するからです。
つまり犬のために良かれと思い、缶詰やドッグフード、手作りごはんを冷蔵庫で冷やしている行為がかえって犬の食欲を減退させてしまっているのです。
特に手作りご飯の場合、白米や肉、魚は冷蔵庫で保存すると芯まで冷え切った状態になります。
犬が手作りご飯を目の前にしても、あまり喜ばず、食がそそられないように見えるのは、食材や献立が気に入らない、食べ飽きているからではなく、その食べものが危険だと誤解してしまっているからです。
温めることで簡単に食のお悩みを解決出来ます
犬に缶詰やウエットフード、手作り食を与えるときは、適度に加温をしてから与えてあげましょう。
レトルトフードや缶詰は犬に与える前に電子レンジで加熱し、体温程度の温かさにしてあげると、ぐっと風味が増し、犬の食欲を刺激する効果があります。
家族と同じ食材を使用し、犬のために手作りご飯を作っているにも関わらず、犬が自分用の器には感心を示さずに、家族の分の料理を催促するにもこの仕組みが関係しています。たとえ同じ食材でも、家族の方が温かく、風味が強いのでより新鮮な食べ物を理解しているからです。
この行動は単にしつけの不徹底が問題なのではなく、犬の本能ですから、無暗に叱ったり、悩んだりするよりも愛犬のご飯を適度に温めるだけで解消できるでしょう。
市販の缶詰やウエットフードを犬に与える時には、電子レンジで適度に加熱することで成分として含まれている脂肪分やゼラチン質が解け柔らかくなり、ドライフードにトッピングした時もスムーズに混ぜ合わせることが出来ます。
もし缶詰のみ、レトルトのみを主食にしている場合には、適度な加温をすることで犬の食欲に変化がみられドライフードとの併用が可能になる場合もあるのでぜひ挑戦してみてください。
ただし温めすぎには注意が必要です
犬にとって食べものは適度に加温された状態の方が食欲増進効果が高まるものの、決して加温のし過ぎはいけません。
犬は人間と違い、冷めてから食べる、冷めて食べごろになるまで待つという判断機能をもっていません。
もちろん犬には猫舌という特性もなく、目の前に食べ物を置かれるとたとえやけどの危険があるほどに熱いものでも、も気にせずに完食してしまうからです。
本来湯気が出るほどの熱い獲物は自然界に存在しないのですから、当然のことながら口内をやけどしたり、食事への余計な警戒心を抱くようにもなります。
犬のために料理を加温する時は、人間が触れて適度な温かさを感じられる程度を目安にし、熱いと感じることの無い程度までに注意してあげましょう。
犬の食欲不振や少々が気になるとついドッグフードを切り替えたり、より嗜好性の高い製品、動物性たんぱく質の多い製品へと切り替えを考えます。
でも実は犬の食性を理解するだけでとてもこの問題は簡単に解決できるのです。
ドッグフードをふやかし与えている場合でさえも同様で、適度に加温してあげるだけで、ドライフードから美味しそうな風味が立ち上がり、これまでの好き嫌いが噓のように犬の食欲が増進するので、ぜひお試しくださいませ。