
ヨーキーやマルチーズ、シーズーといえば長く伸びた被毛が歩くたびに優雅に揺れる姿が印象的です。
艶のある被毛はとても美しく、犬種本来の姿を現しています。
でもこの姿、雑誌や画像で目にすることはあっても日ごろなかなか身近にはいない、ましてや自分の犬なんて・・・と思っていませんか?プロと協力しあい、ぜひ憧れのスタイルに挑戦してみませんか?
憧れのフルコート
ヨーキー、マルチーズ、シーズーの被毛を床に沿うほどまでに長く伸ばしたスタイルをフルコートと呼びます。
全身を覆うという意味です。
このスタイルは、ドッグショーや特別な品評会、愛好家の間で主に取り入れられていて、日ごろ身近で目にするペットにはなかなか見当たらないことでしょう。
このスタイルは、日常生活や運動の場で被毛は絡まってしまわないように特別なケアが必要になるので、ペットとしての生活には不向きです。
その為フルコートの対義語としてペットカットという言葉があります。
ペットカットは生活のしやすさ、お手入れのスムーズさを追求した実用的なスタイルを言います。
でも、せっかく長く伸びる被毛を持っているのですから、一生に一度くらいは愛犬のフルコートに挑戦してみたいと考えたことはありませんか?
もちろん完全に床に沿うまでにならなくても、その手前の長さにでもいいので挑戦してみたいという方も多いものでしょう。
フルコートへの道筋を知っておくと、いつかはと思っていた夢が意外に身近に感じるものです。
トリミングショップと費用の相談を
フルコートを目指すためには、まず計画的に被毛を伸ばす必要があります。
ヨーキー、マルチーズ、シーズーといずれの犬種も子犬の時期は被毛が短く、生後3か月ごろに最初のトリミングの目安時期を迎えます。
もしこの時点で、将来のフルコートを目指す場合は、安易にカットをせずにフルコートの経験、施術が可能なトリマーに相談をしましょう。
子犬の皮膚、被毛はとてもデリケートです。
将来、艶のある美しいフルコートを目指すためにはできる限りハサミやバリカンによる刺激を避けておきたいものです。
もちろんブラッシングもスリッカーを使用すべきところ、ピンブラシを使用すべきところと細かく分けることも理想的です。
でも、目にかかる被毛がそのままでは目やにで汚れてしまったり、眼球を傷つけてしまうこともあるのでプロに相談しつつ
- 体の部分の被毛を伸ばすこと
- 日ごろのお手入れの方法
- 頭頂部の被毛の処理方法(結び方)
を覚えていきましょう。
特に子犬は動きが活発で、毛玉やもつれができやすいものです。
丁寧なお手入れで切れ毛、もつれを予防しましょう。
この時期、被毛のお手入れを習慣化することは、しつけの面でもとても理想的な状況といえます。
飼い主の指示を聞くこと、じっと耐えること、ばたばたと動かないことが身に付きます。
もちろんフルコートは成犬になってから、何年もペットカットを経験してからでも挑戦が可能です。
この場合、現状のスタイルのカットを辞め、長く伸ばすための計画を立てていきます。
フルコートを実現するためには、犬の全身の被毛をラッピングという技法で小分けにし、保護ペーパーで包みます。
このラッピングは単に被毛を小分けにするだけでなく、犬の四肢の稼働の妨げにならないよう、生活の支障にならないように被毛をブロック分けすること、ペーパーを結ぶときに力加減、結び目の位置を考える必要があります。
このラッピングという技法で小分けに包まれた被毛は2,3週間に一度すべてほどき、ブラシをかけ、再度巻き直す手間が必要になります。
その理由は
- 日々の生活の中で結び目がずれること
- 結んだ部分に跡がついてしまうこと
- 皮膚被毛を一旦開放すること
が目的です。
この作業にはプロのトリマーでも数時間かかる場合があります。
またトリミングショップの利用頻度も高まるので、まずは担当のトリマーにどのくらいの頻度での来店が必要になるのか、その際の費用がどのくらいになるのかを相談してみましょう。
時には、トリマー育成専門学校で、ラッピング技能習得のためにモデル犬としてこのような犬を募集していることもあります。
学生の施術にはなるものの費用を格段に抑えることが出来るので、ぜひこのような方法も検討してみましょう。
専門学校のモデル犬は、各専門学校へ問い合わせをして募集状況を確認してみましょう。
お披露目プランを考えよう
ヨーキー、マルチーズ、シーズーをフルコートに仕上げるには2年、3年と長い期間が必要になる上に、日ごろのお手入れもそれなりの手間暇がかかります。
せっかく憧れのフルコートを実現したら、つぎはお披露目プランを考えてみましょう。
プロの写真家に依頼し犬の記念撮影をするもよし、雑誌やWEBのモデルに応募してみるのも楽しいでしょう。
いろいろな楽しみをぜひ新たに見つけてみましょう。