
愛犬の目元が茶色く変色してしまったり、いつも涙で濡れているという事がありませんか?
これは涙が過剰に分泌されている状態で、そのまま放置してしまうと被毛が涙の成分や付着した汚れで変色してしまいます。
プードルやマルチーズの様に薄い色あいの被毛の場合、特にこの着色が目立ちやすく気になる事でしょう。
同じ症状に見えていても、涙やけの原因は様々です
愛犬の涙やけには様々な原因があり、必ずしもすべてが病気という事ではありません。
涙やけの原因は、
- 脂肪分の多い食事
- 埃の多い生活環境
- 目の乾燥
- 生まれつきの涙管の細さ
- 被毛による眼球の刺激
などが関係しています。
このような原因から起こる涙やけは投薬や手術による治療を施すことも出来ず、日常的なお手入れで対処する他ありません。
家庭でできるケアは
- ドッグフードを切りかえ、愛犬の体質に合う製品を選ぶ
- 専用製品を用いて、涙腺のマッサージをする
- 目元の拭き取りをこまめに行う
- 目元の被毛のカットを小まめにおこない、被毛が眼球を刺激しないよう注意する
などがあります。
涙やけ改善に効果的な目元マッサージ
涙やけは個々の体質にも深く関係しています。
完全に予防をする事は出来なくても症状を緩和してあげることなら家族でも可能です。
涙やけの予防は、こまめに目元の汚れをふき取ってあげる方法が効果的です。
分泌された涙には体内の不要物の成分や分泌後に付着した汚れが混ざっています。
この汚れが原因で被毛の着色が起こるので、着色化する前にコットンを湿らせて目元をふき取ってあげましょう。
この時、目に入っても安全なペット専用の化粧水を使うと安心です。
■ペット用化粧水【アヴァンス】
水道水を使用すると拭き取り後の被毛が湿りかえって悪循環を起こします。
拭き取りには
- ペット専用製品を用いる
- 速乾性のある製品を用いる
- 目に製品やコットンが入らないように注意をする
- 愛犬が恐怖やストレスを感じないように丁寧に行う
事が大切です。
目頭に目ヤニが凝固してしまっている時は、暖めタオルで軽く抑えると、自然と目ヤニがやわらかくなり、簡単に取り除く事画出来ます。
目ヤニや涙の量が多く、動物病院で点眼薬の処方を受けている場合は、点眼と合わせてマッサージを行うとより症状の改善効果が高まります。
マッサージの方法は
- 愛犬をリラックスさせた状態にします
- 処方されて点眼薬や市販の専用製品を適量滴下します
- 愛犬の鼻のつけね(マズルの付け根)から目頭に向かって、指で軽く押し上げるようにマッサージを行います
この方法は適度な力具合で行うと愛犬もリラックスし、さほど嫌がることもありません。
涙管に詰まった汚れをマッサージすることで排泄を促し、被毛が着色する前に拭き取る事で、涙や毛の予防に繋がります。
ドッグフードの脂肪分が原因のこともあります
愛犬に多く見られる皮膚トラブルといえば、涙やけ以外にも
- 脂漏症
- 外耳炎
- 足指の多脂症
など様々な症状があります。
シャンプーをしても数日で被毛がべた付いてしまう、耳の内部や耳周りの被毛が常にべた付き、悪臭を放っている、涙やけがなかなか改善しないなど強いかゆみや湿疹を伴う程の症状ではなくても気になる皮膚トラブルが長引く原因は、ドッグフードが関係している事もあります。
市販のドッグフードの中には、嗜好性を高めて、愛犬の食欲を刺激するために過度な脂肪分を添加している製品も多数あります。
代表的な原材料は動物性油脂やラード、副産物といった名称で製品パッケージに記載されています。
このような成分を日々接取し続けていると、犬は知らぬ間に栄養素のうち、脂肪分だけを過剰に摂取することになります。
例えば犬本来の食性で考えた場合、鶏1羽から接取する栄養素は、肉から動物性タンパク質を摂取し、内臓未消化の野菜や穀類を摂取し、骨からカルシウムなどを摂取します。
当然脂肪分は鶏1羽分相当の接取量で収まります。でも人工的に加工されたドッグフードの場合、鶏1羽分の肉に対して、動物性油脂などを用いて数羽分の脂肪分が添加されています。
当然犬は接取栄養素のバランスが乱れてしまい、次第に体内で不調が起き始めます。
このような状態は初期の段階ではなかなか目に見える変化がなく、飼い主が気がつく時にはすでに体内で不調が深刻な状態になり、飽和状態になった脂肪分が体外へあふれ出しているのです。
犬の体の中で被毛に覆われていない部分、皮膚が薄く露出した部分である耳、目元、足裏などは比較的早期に症状が目立つようになり、様々な皮膚トラブルとなってSOSのサインを発するのです。
愛犬の涙やけは、治療が必要なほどに深刻な病気ではありませんが、かといって単ある体質と片付けてしまうには問題のある症状です。中には子犬の頃には全く涙やけがなかったものの、加齢とともに目立つようになる事もあります。
気になる症状がある時は、日々のホームケアと合わせて食事や生活環境の見直しも気にかけてあげましょう。