
生後間もない子犬、留守番時間が長い犬、寂しがりやな犬は家族が目を離したすきに様々ないたずらをします。
その中にはリビングや庭にある植物や鉢植えを荒らしてしまうという事もよくあることです。
でも実はこのイタズラは場合によってはとても危険なこともあるので注意が必要です。
トマトやナスなど家庭菜園にも注意が必要
犬は3,4歳ころまではまだまだ子犬の頃おやんちゃな気質が残り、飼い主のみていない隙にいろいろなイタズラをしてしまうものです。これは好奇心や縄張り意識とも関係していて必ずしも悪意があるわけではありません。
例えば庭に出し遊ばせていたはずが気が付けば鉢植えをグチャグチャにしてしまっていた、庭に大きな穴を掘っていたなどです。
このようなイタズラは、犬が夢中になっている最中に叱れば、犬はなぜ叱られたのかを理解でき、次からは同じイタズラを繰り返さないようにもなりますが、犬がイタズラを終え別の場所に移動したり、別のことに集中している最中に叱ってもまるで意味不明です。自分がなぜ怒られているかも理解できません。
暖かい季節になると家庭菜園や庭の花壇やプランターに花が一斉に咲き始めます。
この時、トマトやナスと言った定番の家庭菜園は実は犬にとって大変な危険をはらんでいます。
トマトは赤く熟した実であれば犬の食事にも活用され栄養価が高い野菜ですが、熟す前の緑の状態やヘタ、茎は食べることで麻痺症状、下痢が起こることや皮膚にかぶれが出来る場合があります。
もちろん犬が好んで食事をするかのように食べるのではなく、イタズラの中で噛みちぎる時に不意に飲み込んでしまう事でも同じです。
同様にナスも葉や茎に毒性があります。
葉や茎を食べると嘔吐や下痢などの症状がみられることがあります。ナスは実に含まれるソラニンという物質も犬にとって中毒のリスクがあるのであえて与えてはいけません。
イタズラ盛りの時期の犬はトマトやナスが好物だからではなく、家族が毎日丁寧に世話をしている植物に関心があり、好奇心から実や葉、茎を齧ってみたり、鉢を倒してみたりという事をします。
そのため思わぬ危険にさらされることもあるので家庭菜園を作る時は、犬が菜園内に立ち入ることが出来ないように高い柵を作る工夫をしておきましょう。
リビングの定番観葉植物は置き場所に注意
インテリアとして人気の観葉植物の中にも犬にとって危険な種目があります。
三角形の葉でつたの伸び人気のアイビーもその1つです。アイビーには葉や果実に中毒性があります。
もし犬がイタズラ気分でこの葉を齧ったり、飲み込んでしまうと嘔吐、下痢、過剰なよだれ、水を多飲するなどの中毒症状がみられることがあります。
同様にアロエも葉から分泌される乳液に毒性がある植物です。
もし食べてしまうと腎不全を起こす危険性もあります。
アロエの場合、植栽そのものだけでなくアロエ成分を使用した製品にも同様の注意が必要です。アロエを食べてしまうと嘔吐、下痢、血尿などの症状がみられることがあります。
いずれの症状も犬の体のサイズ、体質、年齢によって摂取許容量が異なり、中毒症状の程度、発症のタイミングも異なります。
中には軽度な症状で飼い主が気が付かないこともあれば、摂取から間もなく深刻な状態が起こることもあります。
室内に観葉植物を置く場合は犬に決して届かない場所に設置し、留守中のイタズラに十分注意しましょう。
犬のイタズラには叱るよりも予防が効果的
犬の思いもよらぬイタズラや何度も同じことを繰り返すイタズラには厳しく叱ることよりも物理的な工夫の方がより効果的で安全です。
生後3,4歳までの時期は好奇心が旺盛でなかなか犬自身の自制が利かないことも多々あります。特に多頭飼いの場合、飼い主の留守中や飼い主が目を離したすきは絶好のチャンスととらえてしまいます。
犬は一度経験した成功体験を決して忘れないという脳内構造をもっています。
庭に大きな穴を掘る、鉢植えを倒す、家庭菜園で泥まみれになるなど一度夢中になり楽しかったという記憶が残ると本能的に何度も同じことを繰り返します。
そのためしつけは叱るだけでなく、同じことを繰り返すことが出来ないように物理的な対策を講じなければいけません。
またイタズラの形跡がある上に犬の嘔吐、ぐったりとしている、元気がない、血尿などの症状がみられた時はすぐに動物病院に連れてゆき血液検査を受けましょう。
病院ではどのような植物を摂取した可能性があるかを出来る限り丁寧に説明しましょう。
犬の中毒症状は時間が経てばたつほどに症状が悪化します。できる限り適切な処置を施すためにも日ごろから危険な植物、植栽に関しての知識をもっておくと安心です。