
実は海外で日本犬人気が高まり、有名セレブからスポーツ選手までもが日本犬好きをアピールしていることをご存知ですか?
日本犬の中でも秋田県の人気ぶりはダントツで、中にはわざわざ日本のブリーダーの元まで足を運ぶ方もいるほどです。
日本犬の人気の理由とその魅力について目を向けてみましょう。
人気の理由は何と言っても素朴な風貌
海外で起きている日本犬ブームは実はここ数年に限ったことではなく、もう20年以上も続いています。
特に欧米での人気ぶりが高く、アメリカでは秋田犬に特化したコンテストが開催されるほどです。
これほどまでに日本犬が注目を浴びている理由は、なんといってもその素朴な外見に理由があるといわれています。
これまで欧米では犬はペットとして暮らす愛玩犬か猟犬の2つに区分されていました。
愛玩犬として輩出された場合はプードルやパピヨン、ポメラニアンの様に華やかさ、軽やかな動き、小さな体が特徴で、社交的な性格にと作り上げられています。
一方の猟犬として輩出された場合も特有の気質を持ち、知能が高く、独立心も旺盛です。
ただいずれの場合も自身の犬種個々の外見的な特徴をアピールすることに主眼が置かれています。
でも日本犬にはこのような明確な区分がないのです。
柴犬も秋田犬もサイズは違うものの、見た目はほぼ同一です。余計な飾り毛も柄もなく極シンプルで素朴です。
この素朴さがまるで田舎、古き良き時代を思い浮かべさせると、かえって高評価されています。
日本にチワワやダックスといった様々な洋犬種が普及し始めた当初は、見た目が地味で素朴な日本犬は一気に人気に陰りが見え、飼育頭数も激減しました。
実はこの時期、逆に日本から海外へ日本犬の情報が広まり、海外ではその素朴な風貌から一大ブームが起きていたのです。
つまりそれぞれの国で、自身の国にない異国文化をたたえる動きがあったのです。
まるで武士と言われる気質も高評価
海外には犬に対して「番犬」という概念がありません。
海外では犬を屋外で飼育すること自体虐待とみなすこともあり、犬も家族と同じ空間で生活をする、もしくは納屋で家畜の見張りをするとされていたので、ひと昔前の日本の様に玄関先に犬を係留し、来訪者があれば吠える、追い払うという役目を担う事がありませんでした。
実はこの役目を果たすことが出来るのは、日本犬特有の気質があるからこそできる行為です。
本来の日本犬は、とても飼い主に忠実で、飼い主以外の人間に心を開かず、距離を置くことを美徳とされていました。
たとえ顔なじみの相手であっても、飼い主、家族でない以上は尻尾を振ることもないほどです。
このような気質はしつけや訓練で教え込んだものではなく、日本犬が本来持っている性質です。
この性質は洋犬と大きく違う点で、洋犬は社交的であること、他犬とも壁を作ることなく接することが出来ることが本来の性質ですから、まるで真逆です。
例えば、日本人と欧米人の挨拶の仕方を比べても明確です。
日本人はどんなに親しい相手でも、握手程度までにとどめたり、場合によっては握手もせずに言葉だけで挨拶を終えることも少なくありません。
しかし欧米人の場合、親しみを表現するために握手はもちろんハグやキスもするほどです。
この違いが日本犬と洋犬の違いそのものです。
海外では、日本犬の風貌、たたずまい、気質をまるで武士の様だとも称賛しています。
日本犬は洋犬に比べ声質が低い上に、立て続けに吠えることもあります。
この吠え方の違いもまるで耐え忍ぶことを美徳とする武士道を体現しているかのように感じられるのでしょう。
秋田犬の人気ぶりは最高レベル
日本犬の中でも一番人気の犬種は秋田犬です。
特にアメリカでは戦後、日本から秋田犬がたくさん持ち込まれたこともあって、AKITAという独自の犬種として普及するほどです。
日本の秋田犬とAKITAとの違いは、日本から連れ帰った秋田犬にシェパードを交配させ犬種として定着させたことで、日本独自の犬種よりやや足が長く、スマートな体形です。
また気質もシェパードの面が強く出る傾向があり、高い知能と攻撃的な面を持ち合わせています。そのため、ペットとして素人が飼育することは難しく、飼育ベテラン者向けとされています。
海外では日本の柴犬は小型犬、愛玩犬サイズと捉えられているので、大型犬が主流なこともあり秋田犬のサイズ感が一番人気になるのでしょう。
また最近では、SNS上に投稿された写真がきっかけで世界的な人気物になる日本犬も続々と登場しています。
秋田犬グッズ、柴犬グッズなども海外ではたくさん販売されていたり、中には有名ブランドのモデルを勤める日本犬もいます。
日本犬の人気はまだまだ続き、これからも注目してゆきたいものです。