
暑い季節になると犬も人間同様に夏バテを起こします。運動量が減り、だらだらと過ごすことが増えたり、食欲が減退します。病気ではないけれど、食欲不振は放っては置けない心配事です。夏バテ対策を講じて無理なく暑い季節を乗り切りましょう!
暑くても寒すぎても辛い夏の室温管理
暑さ対策で一番大切な事は愛犬が過ごす部屋の室温管理です。特に日中留守にするご家庭の場合、エアコンの設定温度を難しいと感じることもあるでしょう。
ズバリ、夏の室温設定の理想は27度前後です。
ただ、この温度は家族が留守になり締め切った部屋の中ではより低く感じることもあります。逆に日当たりのよい部屋では27度設定ではそれ以上に暑く感じることもあります。
愛犬に留守番をさせる時は、
- レースのカーテンで直射日光を遮っておく
- 愛犬が体感温度に合わせて寝床を選べるようにタオルや毛布もおいておく
- サークルに直接風が当たらないように設置場所を決める
- エアコンのタイマー設定は日没時間に合わせて都度調整する
暑さ対策はそれぞれの環境によって工夫が必要です。なかなか絶対におすすめの温度設定が決められないので愛犬の様子を見ながら確認してあげましょう。
また、生後一年未満の子犬、高齢犬がいる場合には送風や除湿機能の活用もおすすめです。
子犬は成犬よりも体温が1,2度高い上に兄弟や親犬と寄り添い眠ります。実際の体感温度は2,3度高くなっているので28~29度にもなります。
でも子犬が1匹だけで過ごす、エアコンの風が直接当たってしまうと、まるで冷蔵庫の中で眠っているかのように肌寒さを感じ、寂しさ、ストレスを募らせてしまいます。
また、高齢犬は日常の運動量が大きく減少し、新陳代謝も低下しているので室温が低い部屋で長時間過ごすと、ますます体調不良を起こしやすくなります。
エアコンは24時間稼働させたままにせず、適度に入り切りを行い、自然の空気、気温を感じさせることも必要なので暑い時期は小まめに室温管理に努めましょう。
冷たいから美味しいは人間だけの味覚
暑い夏は人間であれば冷たい料理を食べたいと思いますが、犬にはこのような感覚がありません。
犬にとって冷たい食べ物とは、劣化した危険な食べ物を意味します。野生の環境下では仕留めた獲物をその場で食します。つまり体温がまだ残った状態のままです。犬はたとえ腐っている食べ物でも躊躇することなく食べる食性をもっているので、安全な食べ物かどうかの判断は獲物に残る温度で決めているとも言われています。
その為、冷たく冷めた獲物、食べ物は他の動物があえて食べ残したもの、危険な物を意味していてあえて口をつけようとはしません。愛犬のためにせっかく用意した冷たい食べ物も愛犬の食欲不振改善には逆効果です。
暑さで食欲は減退している愛犬には、
- 風味の強いもの
- 脂肪分の少ないもの
- 食感の良い物
を与えると効果的です。例えば鶏のささみを茹でたり、赤身の魚の茹でたりという簡単な物がおすすめです。
ささみや赤身の魚はあえて大き目に刻み与えることも効果的な方法です。食べやすいようにと小さく刻むよりも、自力で噛みちぎるとこの行為に快感を覚え進んで食べてくれるからです。
缶詰など人工的に脂肪分、風味を添加された製品は、胸やけを起こしかえって食欲が減退してしまいます。
また、夏場に食欲が減退するのは犬自身が体への負担を軽減するためにあえて行っている生理現象です。無理に食欲を旺盛にさせる必要はありません。
少量でも愛犬が進んで食べる量が適量と考え暑い季節を乗り切らせてあげましょう。
ただし、食欲不振だけでなく、体重減少が目立つ場合は念のため動物病院を受診しましょう。夏バテの影響で免疫力が低下して病気を発症していることもあります。
食事の時間をサマータイムに変更
暑さが厳しい時期は愛犬の食事時間も見直してあげましょう。
いつも散歩から帰宅後に与えている場合は、帰宅後一時間以上経過してから与えるというように変更します。暑い屋外から帰宅した直後はまだ体温が高く、息が上がっています。そのため目の前に食べ物を置かれても十分な量を食べきることが出来ません。でも帰宅後時間が経ち、平静を取り戻してからであれば、落ち着いて食事をすることが出来食欲減退が解消されます。
食への関心が薄くなってしまっている場合は、知育玩具に一日分のドッグフードを入れ、愛犬に与えたままにしておく方法もよいでしょう。
ドッグフードは規則正しい時間に食べる必要はありませんから、一日かけて必要量を完食出来ればよいからです。
ただし、子犬や高齢犬の場合、夏の暑さに負け食欲が減退したり、食事の間隔があきすぎてしまうと低血糖症を起こす危険があります。固形物の食事が進まない場合は、栄養分補給用高カロリーチューブを与え低血糖の予防をしておきましょう。
夏バテは1,2週間ほどで徐々に改善し気が付けば体調も食欲も元に戻ります。過剰に心配をしすぎず愛犬の様子を見てあげれば十分です。