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犬は今や家族同然ともいえる大切な存在です。
愛犬がいつもそばにいてくれる事は気が付けば当たり前に感じることもあるでしょう。この想いは犬からも同じです。
日本で実際に起こった黒色のラブラドール「ソニア」の飼い主への深い愛情を感じられる実話をご紹介させていただきます。
この話題は世界でただ一頭だけ黒い犬が白い犬に変わった奇跡の実話です。
(※当記事内の画像は、ソニアのものではありません)
黒色のラブラドール「ソニア」
ソニアという名前をもつ黒色のラブラドールは1997年9月6日に誕生し翌10月26日、北海道で喫茶店を営む男性一家に家族として迎えられました。
インドの政治家ソニア・ガンディーにちなみ「ソニア」と命名され、家族同然に生活をし飼い主から多くの愛情を受け育ちました。
ソニアが6歳を迎えたころ、家族の中でソニアを常に散歩に連れ出し、一番多くの時間を過ごしてくれていたご主人が癌を患い帰らぬ人となってしまいます。
ご主人が病院へ入院中は、ソニアも病院まで足を運び、窓越しにお互いの姿を見つめ合い、一時退院をすればともに過ごしと最後まで寄り添ったソニアにとって、ご主人が亡くなってしまったことは耐え難い悲しみだったのでしょう。
その後のソニアは日に日に元気がなくなり、食欲もわかず誰の目から見ても悲しみに暮れる姿が痛々しいほどだったそうです。
飼い主の死をきっかけにソニアは黒い犬から白い犬に変わった
最愛のご主人の死から数か月経った頃、ソニアの体に異変が目立つようになります。
それは真っ黒だったはずの被毛に真っ白いブチが目立ち始めた事です。
犬も高齢になると白髪が目立つようになりますが、ソニアの白い毛は白髪とはまた違いまるでダルメシアンのように全身に広がりました。
その後白い毛色は徐々に増え、ソニアはあっという間に全身が真っ白な毛色で覆われました。
中にはそんなソニアを見て、グレートピレニーズとラブラドールのミックスだったのでは?という方もいたそうです。
でもソニアは純血種のラブラドールであって、毛色の突然の変化には病的な理由も見つからず、最終的にはあまりに大きな悲しみに襲われた事でストレス性の突然変異が起きたと結論づけられました。
ただソニアが変ってしまった原因がわかっても、家族からはどうしてあげることも出来ず、大変な想いをされたそうです。
ソニアの毛色は毛先から変化が起こったという不思議
犬も人間も加齢とともに白髪が目立つようになりますが、その場合、毛色の変化は毛根付近、毛の根本から徐々に進みます。
しかしソニアの場合、黒から白への変色が毛先から起こっていたのです。
これは加齢による変色や新たに生えてくる被毛が白い色素を持ったわけではなく、すでに生えていた毛が変化したという事を裏付け、科学的にも大変特殊なケースとして注目を浴びました。
犬は人間への共感性が非常に高く、人間の言語だけでなく感情も十分に理解することが出来ると言われています。
これらの見解は世界各国の研究者が科学的なデータに基づき成果を発表しているところですが、ソニアの変化を見る限り、そのような実証データを確認せずとも犬が如何に飼い主を愛し、その感情に共感し生活をしているかを伺い知ることが出来ます。
また白い毛色に変化した後もソニアの鼻の色は真っ黒な色素を保ち続けました。
通常犬の鼻の色は被毛の色素と連動し決まります。
被毛が白や淡い色をしている場合、鼻やアイラインの色素も薄くなります。
ラブラドールの場合、チョコレート色の被毛を持つ場合、鼻やアイラインは茶色がかったピンク色です。
しかしソニアは本来真っ黒な被毛をもっていたことから、本来の色素は濃く、鼻は真っ黒でした。
この点もソニアが起こした毛色の変化が如何に特殊なケースであったかを知ることが出来ます。
犬の中には成長後に毛色が変化する場合もありますが、その場合本来自身が持っていた色素に連動し変化が起こります。
しかしソニアは生まれつき濃い色素しかもっていなかったので、加齢とともに白くなることも説明がつきません。
その後のソニアは書籍化され世界中で感動を呼びます
その後ソニアは残された家族と共にゆったりと時間を過ごし、一時は真っ白だったに徐々に黒い毛色が混ざるようになり、以前ほどではないものの黒いラブラドールに近い姿に戻りました。
15歳を過ぎるころには足腰も弱り、すっかり老犬そのものという風貌になったものの、家族からたくさんの愛情を受け生活をすることが出来ました。
この話題は世界中の愛犬家たちに広まり、ソニアとご主人の深い愛情が起こした奇跡とされ、書籍化され、多くの方が知ることとなりました。
ソニアの本は「ソニア・世界でただ一頭の白ラブ」として発売されました。
増刷や絵本化もされ幅広世代から愛され、犬と人間との素晴らしいエピソードとして広く知られています。