
犬の中には子供やお年寄りが苦手、困った顔をするというタイプもいます。
本来は人間が大好きなはずの犬がこのような仕草をみせるには訳があります。
犬の気持ちを理解しておくと、愛犬の困った顔にどう対処すべきかを考えることが出来、良好な関係を築くことが出来ます。
子供は予測不能で攻撃的と思われています
犬にとって小さな子供はたとえ同じ家で暮らす家族であっても予測不可能、油断禁物な存在です。
子供は大人より動きのスピードが速く、突発的な行動に出ることが多々あります。
犬をしつこく追いかけたかと思えば、不意に別なものに興味を惹かれたりとまるで予測不可能です。
そのため犬は子供に接する時、一定の緊張感を持ち、身構えています。
犬が生後半年~一年ほどまではいわゆる子供と精神年齢が同等なので、お互いに無邪気にじゃれ合い遊ぶことが出来ます。
ただ犬の方が人間より早く成長をするので、生後一年を超えると人間の18歳、20歳相当に精神的に落ち着きを見せるようになり、人間の子供と遊ぶことを面倒に感じるようになります。
ただ生後一年なら、まだまだ犬も遊びたい盛りで体力も旺盛ですから、子供も誘いに乗り遊ぶことも多いにあります。
子供がいる家庭で犬を飼う場合、子供の犬への接し方に目くじらを立てる方が大勢います。
でも実は子供は犬という存在との接し方を大人の姿を観察することで学んでいます。
愛犬がイタズラをした時、自分が忙しく余裕がない時、つい感情的に犬を叱っていませんか?犬を叩いてしまったり、手を振り上げ怯えさせたことはありませんか?
子供は大人のこのような態度や行動を見て犬にどう接するべきかを学んでいます。
子供に犬に愛情をもつこと、優しく接することを教え、身に着けてもらうためにはまず大人が自身の接し方を見直してみましょう。
もちろん子供は大人が期待するままに上手に接することはできませんが、愛情を持つこと、大切だと感じることは出来るはずです。
家族の中で最も年齢の低い子供に集中攻撃はなぜ?
家族の中で一番年齢の低い子、兄弟の末っ子だけが愛犬から集中攻撃を受ける、バカにされる、甘噛みのターゲットにされるというお悩み相談が多々あります。
しつけの手法では犬は家族を群れと認識し、順位付けを行い、自分が最下位にならないように自分より格下の存在をつくるという説もあります。
しかし、犬の行動学の研究者の中には、この説に異論を唱える方もいます。
なぜなら、犬がもし家族に序列を作っているのなら序列上位者には絶対服従なはずだからです。
序列の上位者より先には食事が出来ず、散歩中に前を歩くこともありえません。
しかし、実際の生活ではそうではなく、この序列説には矛盾が生じてしまうのです。
そのため、近年のしつけ手法では、犬が家族の中でもっとも年少の者に反抗的で挑戦的な態度をとる理由として、
- 行動が突発的で予測不可能だから
- 言葉がつたなく、指示や叱るタイミングが適切でないから
- 言葉にならない擬態語や甲高い声に刺激されるから
- 泣く、逃げる、大人に頼るなどの対処が犬の優越感を刺激するから
- 家族内で年少者が叱れることが多く、犬はこの行動を真似ているから
などの説が唱えられています。
つまり家族の接し方を見て犬が年少者への接し方を学んでしまっているのです。
ただこの行動がきっかけで中には犬嫌いになってしまう子供もいるので決して看過出来る問題ではありません。
愛犬がこのような行動を見せる場合は、
- 年少者に犬との接し方を教える
- 食事を与える係を年少者にさせ、犬への指示だしを練習させる
- 甘噛みやじゃれつきへの対処法を教える
などの対策を講じてあげましょう。
お年寄りに吠える、強気に出るのはなぜ?
犬の中には散歩中に出会うお年寄りに強気な態度を示したり、威嚇するような声で吠える犬がいます。
この行動は特に若いオス犬に多くみられます。
犬にとって自分の縄張りで威勢を張り、自分の力を誇示することはとても重要な意味があります。
そのため少しでも自分が優位だと感じる相手には積極的に存在をアピールしようとします。
この場合、愛犬をそのまま自由にさせておくと、不意のタイミングで飛びつきや過剰な無駄吠えを起こし大変危険です。
即座に愛犬をお座りさせ、叱り、正しくない行動であることを認識させましょう。
ただ中には杖や歩行器、手荷物用カートなど見慣れない日用品に警戒し吠えてしまう犬もいます。
このような場合、愛犬が落ちつき通りすぎることが出来るように優しく声をかけ、アイコンタクトを心がけてあげると効果的です。
まとめ
犬は優しい、人間が大好きというイメージがありますが中には子供やお年寄りへの接し方を十分に身に着けていない犬もいます。
愛犬が日ごろ子供やお年寄りと接する機会がない場合は特に飼い主が目を配り安全に行動出来るよう配慮してあげましょう。