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犬は一度通った道を忘れない、数100キロ離れた場所からでも自宅まで帰り着くことが出来るなど犬が持つ脅威の能力がたびたび話題になります。
犬が持つこの能力は帰巣本能と言われまだまだ未解明な点が多い不思議の1つでもあります。
うちの子にも出来る?と気にある帰巣本能についてご紹介させていただきます。
驚きのスーパーパワー!犬がもつ帰巣本能とは?
犬の帰巣本能とは、犬が自分の住処や群れの居場所を見失う事はなくどんなに離れた場所からでも帰り着くことが出来るとする能力の事です。
この能力の裏付けとして、数十年前の日本では犬を鎖につなぐことなく庭で飼育し、犬も気分のままに散歩に出かけまた自宅に戻るという生活をしていたことにも裏付けられています。
狩猟に参加していた犬は獲物を追いかけ、飼い主から数km離れた場所まで行っても、飼い主の合図を聞き分け、集合場所まで戻ることも出来ます。
中には山へ飼い主と出掛け、迷子になってしまったものの遠路はるばる自力で帰宅したという驚きのエピソードもあり、犬が持つ脅威のパワーとして広く知られています。
ただこの帰巣本能はあくまでも極一部の犬に限られた特殊な能力です。
全ての犬が資質としてこの能力をもっていても、驚異的とさえいえるほどの実力を発揮できるかどうかは犬次第です。
海外では驚きニュースが続々
海外では日本では想像もできないような驚きのニュースや感動秘話が多々紹介されています。
その中で帰巣本能に関する話題をご紹介させていただきます。
マラソン大会に飛び入り参加し迷子になったドーザー
2011年マリーランド州のフルトンで暮らす3歳のゴールデンドゥードルのドーザーは自宅近くで開催されたマラソン大会に思わず飛び入り参加してしまい、ランナーと一緒にゴール地点まで走り抜けてしまいました。
自宅からの距離は11kmもあり、飼い主も不在です。
でも翌日になってみるとドーザーはまるで気にする素振りもなく自宅に自力で帰り着き大きなニュースになりました。
偶然にもドーザーが参加したマラソン大会は癌治療のチャリティを目的としていたため、この様子がテレビを通じて話題になり多額の寄付金が集まったそうです。
72kmもの距離を自力で帰宅したエアデールテリアのマックス
アメリカ・ロードアイランド州コベントリーに暮らすビル・クラークさんは2008年9月エアデールテリアのマックスと共にコネチカット州スターリングをオープンカーでドライブをしていました。
しかし不運なことに車は衝突事故に遭い、この時の衝撃でマックスは驚き近くの森へと迷い込んでしまいました。
その後の必死の捜索にも関わらずマックスを見つけ出すことはできず、失意の中クラークさんが仕事から帰宅するとなんと自宅裏庭にマックスがいたのです。
マックスは事故後、24日間をかけ72kmもの道のりを自力で走り続け、飼い主が待つ自宅へとたどり着いたのです。
もちろん十分な食事を得ることが出来ない厳しい生活の中でマックスはやせ細ってはいました。
空気中に残るわずかな臭いと自身の方向感覚だけを頼りに帰り着いたマックスの能力はまさに驚異的です。
うちの犬にも帰巣本能はある?
海外では驚くほどの能力を発揮し、飼い主との感動秘話が続々と紹介されますが、必ずしも全ての犬に帰巣本能が備わり、発揮できるわけではありません。
特に日ごろ室内で生活をする犬にこの能力の発揮を期待することは無謀ともいえるでしょう。
なぜなら帰巣本能を発揮するためには、
- 空気中に漂うわずかな臭いを嗅ぎわける能力
- 放浪中に自力で食べ物を入手する能力
- 危険から身も守る能力
- 正しい方向感覚を持ち、目的に向かい歩き続ける気力
が必要とされるからです。
これらの能力はほぼ野生に近いスキルです。
日ごろペットとして穏やかに暮らし、散歩中の主導権は飼い主さんが持ち、食べ物は毎日定時に無条件で与えられるという生活を送っている場合想像以上に困難な試練でしょう。
つまり目の前にいる愛犬に帰巣本能がないわけではなく、発揮の方法を知らないのです。
最近は高層マンションで生活をする犬も増え、これらの犬はマンション内と屋外との経路を順序立てて考えることが出来ず、散歩中に脱走してしまうとマンションの入り口までさえも帰宅することが出来ないというケースも増えています。
今ペットとして共に暮らす愛犬には万が一の迷子の時にも必ず飼い主の元へ帰宅できる対策を講じてあげることが大切です。
万が一を考え迷子対策は万全に
一昔前の日本では野良犬を多数見かけたものですが、最近ではほとんど見かけることはありません。
街中を放浪する犬は迷子、飼育放棄など何等かの理由があり一時的に飼い主不在になっているにすぎません。
その上、保護や収容という仕組みも整い、場合によっては迷子になったまま自宅に帰ることの出来ない犬も大勢います。
犬が持つ帰巣本能と愛犬の迷子への油断は全くの別物です。
愛犬がもし迷子になってしまった時、必ず自宅へ帰ることが出来るよう、
- 迷子札
- マイクロチップ
の装着を済ませておきましょう。
もし迷子になった場合、必ず人の手を借りることになります。
その時飼い主の存在を知らせることが出来る手段を講じておいてあげましょう。