
いま、映画やコマーシャルにも出演し、海外セレブやある国の大統領までもが飼っている日本原産の犬がいるのを知っていますか?
それは、日本の天然記念物にも指定され和犬とも呼ばれる日本犬なのです。
今回はこの素晴らしい日本犬の特徴を詳しく紐解いてみましょう。
遥かな昔から日本人と生活を共に
遥かな昔から日本人の暮らしに寄りそってきた日本犬は、狩猟犬として人々の移動に同行していくうちに、それぞれ「○○犬」のような地域に由来する名前となっていきました。
現在では、柴犬・秋田犬・紀州犬・四国犬・甲斐犬・北海道犬の6種類に種別されるのですが、柴犬だけ唯一、地域に由来する名前が入っていないのに気がつきましたか?
以前は、「○○柴」と呼ばれる柴犬が各地に根付いて飼われていましたが、戦後の食糧難や犬の伝染病で絶滅のピンチに陥りました。
そのため、各地の柴犬を交配して繁殖した子孫がいまでは大半を占めているので、地域に由来する名前にはしないことになったそうです。
いまでは多く見ることができる柴犬も、このような苦労を重ねていたのは驚きました。
そして、これら6種類の日本犬は、同じ祖先を持っているので、ピンとした三角の立ち耳とがっしりとした肢、それにカタツムリの貝殻みたいなクルンと巻いている巻き尾などが外見に共通して見られる特徴となっています。
映画やドッグショーの影響で海外でも人気に
そして日本犬は、いまや海外でも人気となっています。
人気に火がついたきっかけは、2009年に海外で公開された映画「HACHI約束の犬」の中で、帰らぬ飼い主を待つ哀愁ある演技で人々をひき付けた秋田犬です。
また、2012年にイギリスで開催された世界最大のドッグショーで優勝した柴犬とも言われています。
平昌オリンピックで金メダルを獲得した女子フィギュアスケートのザギトワ選手が、雑誌で見た秋田犬の可愛さに一目ぼれをしたのがきっかけとなり秋田犬が贈られることになったのも、テレビなどで報道され話題となりました。
この秋田犬ですが、海外での犬籍登録数(秋田犬保存会が血統証を出した数)は、2012年から登録数が増え始め2016年には日本よりも登録数を上回ることになりました。
その中のイタリアでは、秋田犬の価格が日本のおよそ3倍の30~40万円で取引されるのにもかかわらず、購入に半年待ちになるほどの人気となっています。
このような海外での人気になる理由には、見た目だけではなく日本犬の気質の特徴が一役買っていて、飼い主にとても忠実で従順であり、覚えたことは生涯にかけて忘れない賢い面や勇敢な姿に、日本のサムライや忍者を重ねる方もいるようです。
また、他人には懐くことが少ないので、飼い主の自分だけに心を許してくれる表情を見せてくれるのが、一番の大好きな特徴だと言うこともよく聞きます。
しかし、きちんと向き合える時間を作らずにしつけを怠ってしまうと、信頼関係が気づけないなど気難しい特徴もあるのです。
日本犬の良さを見直そう
現在、日本で人気になっている犬の種類は日本犬ではない洋犬です。
もちろん、洋犬にもそれぞれに素晴らしい特徴があるので、人気の理由も納得がいきます。
ですが、「自分の国にこんな素晴らしい犬がいるのに、日本人はどうして人気種の犬ばかり追いかけるのか」と疑問を投げかける海外の方もいるのです。
確かに、大昔から私たち日本人とともに過ごしてきた日本犬であるにもかかわらず、秋田犬の登録数が海外の方が上回っているのは、とても残念なことです。
いま一度、このような素晴らしい特徴を持っている日本犬の良さを見直し、沢山の方々に日本犬の魅力を伝えて広げていきましょう。