
犬の高齢になると内臓機能が低下し、新陳代謝が悪くなり、様々な皮膚トラブルが起こるようになります。
特に寝たきり、運動制限などで屋外に連れ出すことが出来ない場合この症状はますます深刻さを増すでしょう。
たびたび耳にするリンパって何?
人間の美容やエステ用語でたびたびリンパという言葉を耳にします。
リンパの流れを改善することで美肌になる、むくみが解消するなどです。
このリンパという言葉は聞いたことがあっても、体内でどのような役割を果たす存在かは知らないという方も多いでしょう。
リンパとは
- 体内の老廃物の回収と運搬(排出するための準備)
- 細菌や異物が体内に入らないようにする免疫機能
これらの機能を持つアルカリ性の液体です。
体中に血管と同じようにリンパ管という管がはりめぐらされていて、その中を循環しています。
血液から排泄されて不要物を体外へ排泄する働きがリンパの役目です。
新陳代謝が悪化するとこのリンパの流れが悪くなり、体内に不要物が堆積しむくみや不調を引き起こします。
リンパの流れを良好に保つために
リンパの流れを良好に保つには
- 適度な運動
- 規則正しい生活
- 栄養バランスの整った食事
が効果的です。
しかし、高齢になるとこれらの点を心がけていても、なかなか良好な状態を維持することが難しくなります。
そのためマッサージを行い外部から適度な刺激を与え、リンパの流れを促進することで、不要物の排泄を促そうという手法がリンパマッサージです。
ホームケアで出来る簡単リンパマッサージ
リンパ管は血管と同様に全身に張り巡らされています。
そのためツボ押しの様にピンポイントで刺激をせずとも十分な効果を得ることができ、家庭でも簡単に取り組むことが出来ます。
例えば、耳の後ろから首筋にかけての部分を軽く押しながらマッサージをすると、この部分にある太いリンパ管を刺激することが出来ます。
その結果溜まっていた老廃物を排出しやすくなり、スッキリとすることが出来ます。
また便秘や下痢など胃腸の不調が続く時は、後肢や下腹部のあたりを優しく、ゆっくりとマッサージしてあげると効果的です。
このように全身のリンパ管を刺激し、その流れを改善することで老廃物が排出されやすくなると次第に新陳代謝も改善されます。
リンパマッサージで全身ケア
新陳代謝が改善さえると皮膚や被毛の状態も改善され、長引いていた不調を軽減することにもつながります。
高齢になった愛犬のケアを考える時、つい体の一部分にだけ注意を集中してしまいがちですが、体の機能はお互いに関係を保ちながら連動しています。
そのため気になる部分をピンポイントで治療するよりも、体全体を包括的にケアする方がより効果的です。
また愛犬にとっても飼い主がおおらかな気持ちで優しく全身を撫でてくれることはどんな治療よりも効果があるものです。
マッサージやリンパという専門用語が並ぶと、つい肩に力が入り専門的な勉強をしたり、情報を集めようと躍起になってしまいがちですが、リンパは全身くまなく駆け巡っています。
そのため愛犬の体のどの部分に触れてもリンパを刺激することが出来るので、気負わずに気軽にマッサージを施してあげましょう。
愛犬の様子を見ながら日々改善を
老犬のケアはなかなか目に見える改善結果が現れないものです。
時には不安や焦り、無駄ではないかと感じてしまう事もあります。
しかし目には見えずとも日々マッサージを行い、低下してしまった機能を手助けする行為を繰り返すことで必ず何らかの成果はでているものです。
成果が出ないからと諦めてしまうのではなく、現状維持が出来れば、少しでも愛犬がリラックスをしてくれるならとおおらかな気持ちで取り組みましょう。
また近年、ペットマッサージはペットサービスの一環として確立され始めています。
専門店が開業したり、資格制度が出来たり、DVDや書籍も多数販売されています。
これらの情報を参考に自分なりの手法を身に着け、愛犬に納得のいくケアをしてあげることも大変有意義なことです。