
ノミダニの予防といえば春先から夏にかけての時期と思いがちですが、実は秋冬も完全に安心出来るわけではありません。
秋冬の室内は適度に暖かさが保たれ、実はノミダニの繁殖に適した環境が整っているからです。
ノミダニの危険について知る事で家庭でも十分な対処法を講じておきましょう。
ノミダニの寄生は秋冬でも油断禁物
一般的にノミダニの予防は春先から秋にかけて動物病院で専用の薬剤を塗布することで完了します。
この薬剤が皮膚を通じ犬の血管内に浸透しノミダニを根本から退治してくれるという仕組みは誰もが知っている事でしょう。
もし薬剤を塗布する時点でノミダニの寄生があった場合でも、ノミダニが犬の血液を吸うことで薬剤の影響で死滅する上に、卵を産み付けていた場合でも孵化した幼虫も同じ様に血液を通じて薬剤を摂取するのでそれ以上の繁殖にはつながらないという仕組みです。
ですがこの仕組みは犬の体に寄生していた場合に限定されているという事を多くの飼い主さんが誤解しているようです。
薬剤の効果があるのはノミダニが犬の体で生息し、血液を吸った場合だけです。
その為、犬の体に寄生していたノミダニやその卵が自宅室内でカーペットや寝具、犬のベッドに移動した場合薬剤で死滅することなく繁殖を続けてしまうのです。
室内に移動したノミダニは夏の涼しい間は犬のベッド付近に生息します。
こうする事で犬の体温を感じ快適に生活ができるからです。
その後卵を産み付け、夏が終り肌寒くなる事にはカーペットへ移動します。
この時最も危険なエリアがホットカーペットや床暖房です。
この機器はノミダニが最も快適に繁殖出来る温度に保たれている上に、室内には外敵もいないことからとどまる事なく繁殖が続くのです。
つまり夏が終わった、完璧に予防ができたと思っていたノミダニ対策には気がつかぬ間に落とし穴があったという事なのです。
ノミダニを完全にシャットアウトするには
ノミダニは犬だけでなく家族にも寄生します。
特に小さい子供や高齢者の場合ノミダニの寄生で皮膚トラブルを起こすこともあり、単なるかゆみでは終わらないことがあります。
- このようなノミダニ対策には
- 犬のノミダニ対策を夏で終了させずに秋まで続ける
- 犬の使用するベッドやマット、タオルは衛生的に保ち、定期的に買い替える
室内のカーペットや寝具、ソファなどにも寄生中対策を行う
(室内の殺虫処理やノミダニ退治機能のある製品を積極的に活用する) - 犬のブラッシングは屋外、ベランダ、浴室などブラッシングの清掃がスムーズな場所で行い、抜け毛はビニール袋で密閉してから処分する
などを心がけておきましょう。
季節外れの寄生が見つかった時は
通常ペットショップにノミダニ対策用用品が並ぶのは春から夏にかけての時期だけです。
夏を過ぎてからノミダニを見つけた時は、まず動物病院に相談をしましょう。
動物病院には通年でノミダニ用薬剤やノミ取り用シャンプーが常備されています。
また病院によっては室内のノミダニ対策用用品の取り扱いや紹介をしてくださることもあるので相談をしましょう。
基本的に犬にノミダニの寄生があった場合は、すでに室内の温かい場所、快適な室温を維持している場所にはノミダニが蔓延していると考え行動すべきです。
もし自宅のシャンプー中やブラッシングの最中に犬の体にノミダニの寄生を見つけた時は、湿らせたティッシュでノミダニを軽くつまみ、犬の体から取り除きます。
この時、ノミダニが血を吸っている最中に無理に引き離すと体の一部だけが犬の皮膚上に残留し怪我や湿疹、皮膚トラブルの原因になる事があるので注意をしましょう。
犬へのノミダニの寄生に気がつくと、大抵の場合は自身の日々の家事や清掃に不安を感じるものです。
でもノミダニの寄生は必ずしも家庭内に原因があるわけではありません。
寄生の原因は、
- 散歩やドッグランで入り込んだり、触れたりした草むら
- じゃれあい遊んだ他の犬
- トリミングショップで偶然居合わせた犬や猫
- 動物病院の待合室
- ペット同伴可能な宿泊施設
など多岐に渡ります。
その為なかなか寄生の原因を特定することはできないので、この点は諦めるしかないでしょう。
大切な事は原因を突き止めることではなく、拡大を防ぎ早期に駆除を済ませることです。
犬のお気に入りのベッドやマット、タオル、洋服などは処分するには物悲しいこともありますが、家族への寄生を予防する為にも処分が望ましいでしょう。
そして、決して洗濯機で洗ってはいけないことも忘れてはいけません。
ノミダニは洗濯機で洗っても完全に取り去る事画出来ないことがあります。
洗濯機を使用することで今度は家族の衣類や生活用品にノミダニの卵が移動してしまうこともあります。
ノミダニに気がついた時は、思い当る身の回りの物をビニール袋に入れ、密閉した状態で処分をしましょう。