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愛犬が伸びをする時、後ろ両足をまっすぐ伸ばしまるでスーパーマンのような姿勢になることはありませんか?
あまりの気持ちよさそうに伸びをする仕草ですが、ほんの一瞬で終えてしまう事が多くなかなか写真に収められないと残念に思うでしょう。
実はこのポーズはスプルートという名前がついています。
愛犬のかわいいスプルートについてより詳しく知っておきましょう。
スーパーマンのようなスプルートポーズとは?
犬が後ろ脚をまっすぐ伸ばし昼寝をしていたり、伸びをするポーズをスプルートと言います。
英語でsplootと表記し、日本語の意味は「コーギー犬がうつぶせになっている姿勢」です。
コーギーの姿勢にわざわざ専用の言葉があることになんとも驚くでしょう。
イギリスでは王室でも飼われていることでおなじみのコーギーは、海外ではごく一般的な犬種で日本で例えるなら柴犬に似た存在です。
日本では柴犬の仕草にわざわざ専用用語がないので、コーギーのこの姿勢が如何に印象深く、愛されているかがわかります。
ちなみにこの姿勢はコーギーのように足が短い犬種ならごく自然にできるので愛犬のふとした瞬間を見逃さずに気にかけてみましょう。
室内飼育でスプルート犬が増加中
スプルートポーズは犬が最もかわいく見える瞬間として、日本はもちろん海外でもたびたび話題になります。
SNSで愛犬のスプルート写真を披露する方も多く、時には強面の犬のスプルートポーズに思わず癒されてしまう事もあるでしょう。
ただ犬本来の習性を考えてみると、スプルートはあまりに無防備すぎると言えます。
犬が本来あるべき姿とは常に緊張感を保ち、自身の嗅覚、聴覚を研ぎ澄まし、たとえ夜間、深夜であっても安眠することもありません。
些細な物音や異変を察知し、瞬時に攻撃体勢をとることが出来る習性をもっています。
ところがこのところの室内飼育の定着により、犬達はこのような本能を忘れてしまっているようです。
もし愛犬がスプルートの姿勢で眠ってしまっていたら、きっと些細な物音に飛び起き、警戒姿勢をとることはきっと難しいでしょう。
目が覚め、現状を把握するまでに時間がかかる上に、中には飼い主さんの陰に隠れてしまう犬もいるでしょう。
つまり長年のペットライフを通じて犬達は完全にリラックスしてもいいこと、過剰な警戒心を持ち続ける必要がない事を理解したようです。
この結果、これまでコーギーやブルドッグなど一部の犬に限定してみることが出来ていたスプルートポーズがレトリバーなどの大型犬はもちろんシュナウザー、チワワ、プードル、日本犬にまで広まり一大ブームとなっています。
愛犬が完全にリラックスしてくれていることは、飼い主として幸せや嬉しさを感じる瞬間でもありぜひ写真に残しておきたいものです。
一昔前のしつけ手法では叱り、矯正の対象だったスプルートポーズ
日本のしつけ手法は海外に比べ数十年単位で遅れをとっていると言われていた事があります。
わずか20年ほど前までは犬を屋外に係留し飼育することや体罰を与えることも当然であり、効き目のある手法だと考えられていました。
そのようなしつけの中で犬が不意にスプルートポーズをとることがあれば、緊張感がない、だらしないとされ叱責され、矯正される対象であったほどです。
そのため海外ではごく自然に見ることが出来ていたスプルートポーズも日本では話題になることが少なく、ごく最近になってかわいいと注目を浴びるようになったのでしょう。
骨格形成不全の可能性があるので軽視は禁物
このスプルートポーズは警戒心がない子犬の頃にはどの犬種でもたびたび目にすることが出来ますが成長と共に見る機会が減ってしまうものです。
ただあまりにこのスプルートポーズが日常化してしまうと愛犬の骨格に形成不全があるのでは?と不安に感じることもあるでしょう。
室内飼育や運動不足、犬の小型化など様々な要因が関係し、先天的な骨格異常を抱える犬は増加傾向にあります。
中には股関節の形成不全が原因でこのような姿勢を常にとってしまう犬もいます。
股関節形成不全を患っている場合、
- お座りの時に後肢が横に出てしまう
- 歩行中に腰を振りながら歩く
といった症状も同時に見られます。
生後2,3年まではなかなか確定診断が難しい症状ではありますが、愛犬の行動が気になる場合は早期に動物病院を受診し症状を確認してあげましょう。
もし股関節にトラブルを抱えている場合は、日ごろの運動の見直しや室内環境の整備など出来る限りのケアを行い症状の悪化を防ぐ事が大切です。
貴重だからこそかわいいスプルート
スプルートポーズは犬が一番かわいく見える瞬間とも言われ、誰もが長く眺めていたいと思うポーズです。
ただあくまでも犬がリラックスした状態で伸びをするようなものですから、決して無理強いをしてはいけません。
日常の中の不意の瞬間に見せてくれるからこそ貴重であり、感激できるのでしょう。
また、もしこの姿勢に不安や不調を感じる時は動物病院に相談をしてあげましょう。