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なんだか愛犬の口臭が気になる、気が付くと歯の根元が緑色に変色している、最近愛犬の食欲がないなど口内トラブルにお悩みの場合は付いてしまった歯垢や歯石をリセットできる方法があります。
動物病院で専用器具を使用し処置をすることでスッキリきれいに処置が出来ます。
ただ処置を受ける前にその内容をきちんと理解しておきましょう。
付いてしまった歯垢や歯石は万病の元
犬の歯垢や歯石が目立つようになるのは生後3,4歳ごろからです。
もちろんそれまでも毎日少しずつ蓄積はされていますがさほど目立つ事はなく3、4年かけると石化し悪臭を放つようになります。
歯垢や歯石は当初は歯の根元付近を多い、雑菌の繁殖を促進し歯肉炎や歯槽膿漏などを引き起こします。
歯垢や歯石が付着しているだけであれば犬には自覚症状も不快感もありませんが、歯茎にまで症状が進行すると食事の度に痛みや不快感を覚えたり、時には歯が抜け落ちてしまう事もあります。
歯垢や歯石から侵入した雑菌が頬の肉に浸食すると頬に穴があくこともあります。
このようにただの歯の汚れ、口臭と思っていた歯垢や歯石は決してそれだけでは症状がおさまらず加齢とともに深刻さを増してゆきます。
動物病院で歯垢、歯石処置を受ける
歯垢や歯石は一旦付着してしまうと自然と流れ落ちることはありません。
食事の食べかすであれば犬自身の唾液で洗浄することが出来ますが、歯の表面に残留し硬く石化した歯垢や歯石は唾液では効き目がなく日に日に悪化します。
石化した歯垢や歯石は家庭での歯磨き程度でも取り除くことは出来ません。
取り除くには動物病院で専門的な処置を受ける必要があります。
動物病院の歯石、歯垢除去は
- 全身麻酔をかける(所要時間は15分~30分ほど)
- スケラーと呼ばれる先端の尖った器具で歯の表面の歯垢や歯石を削り取る
- 麻酔から覚醒した後に痛みが残ることもなくすぐに日常生活に戻ることが出来る
この処置はあくまでも予防処置のためペット保険に加入している場合でも補償の対象外となる場合がほとんどです。
費用は小型犬の場合30000~50000円ほどです。
処置自体は短時間で完了しますが、麻酔から覚醒するまでに数時間かかるので半日程度時間をさける日程で処置を受けましょう。
市販の歯石除去グッズには注意
ペットショップの店頭や通販ショップでスケラーという器具を販売していることがあります。
実はこの器具は医療器具に分類される製品で家庭での使用を想定していません。
つまり安易に購入をし家庭で歯垢や歯石除去を行ってしまうと、歯茎や歯冠、歯のエナメル質を傷つけてしまいかえって深刻な状態に陥る可能性があるので注意しましょう。
保護犬の多くは口内トラブルを抱えています
保護犬の多くは劣悪な環境で過ごしていることが多く、何らかの口内トラブルを抱えています。
引き取りの際は必ず動物病院を受診し、現状の診断と今後のケアについてきちんと考えてあげましょう。
歯垢や歯石はもちろんの事、雑菌の影響で歯茎の腫れ、口内炎を発症している場合、抗生物質の服用が効果的です。
歯が健康を取り戻すことが出来れば、自然と日々の生活に覇気が生まれ新しい環境にも馴染み安くなります。
家族に迎えた直後は歯に触れられる事に警戒心をむき出しにする場合もありますが、無理強いをしないよう根気強くお手入れを続けてあげましょう。
高齢犬は麻酔のリスクをよく考えて
高齢になるといろいろな体の不調が気になるようになります。
歯や歯茎に関するトラブルも目立つようになりますが、歯垢や歯石の除去は必ずしもおすすめできる方法ではありません。
この処置は必ず全身麻酔が必要だからです。
高齢になると麻酔に耐えうるだけの体力がなく、場合によっては死に至ることもあります。
ただどの程度の危険度を含んでいるかは事前の検査や診察で見極めることが難しく、想定で判断をするしかありません。
また何度も麻酔をかけることで体にかかる負担も増してゆくので、今後大きな手術が想定される場合は歯垢や歯石除去での麻酔は見送りたいものです。
その場合、ついてしまった歯垢や歯石は現状のままという事になりますが、日々の食事を見直し、これ以上の悪化を防ぐ事で対処しましょう。
トリミングショップで処置を受ける場合は処置内容を事前に確認
トリミングショップやペットの資格保有者が歯垢や歯石の処置を有料で引き受けるケースがあります。
この処置はあくまでもお手入れなので、麻酔を使用することはできません。
利用する場合は
- どのような手順で行うのか
- どこで行うのか
- スタッフは何人体勢で行うのか
など詳細を確認しましょう。
麻酔を用いずに器具で歯の表面を削るという処置を施そうとすれば当然犬は全力で拒絶します。
その為不慣れな場合怪我につながる可能性があります。
必ず処置の内容を確認し飼い主として安心できる内容であるかどうかを検討しましょう。