
愛犬の体重が気になるとき、ドッグフードの量増しに野菜トッピングはとても効果的です。
いろいろな野菜で食事のバリエーションが増える上に、缶詰に比べカロリーも抑えることが出来ます。
でもトッピングする野菜は生野菜のままがいい?茹でるべき?と疑問に感じたことはありませんか?
犬の食性から野菜の摂取方法について考えてみましょう。
野菜は細かく刻む、柔らかく茹でるが大原則
愛犬の食事に野菜をトッピングするときはドッグフードでも手作り食でもいずれの場合も細かく刻み、指で軽くつぶせるくらいを目安に柔らかく茹でてあげましょう。
特に繊維質の多い野菜は念入りに下ごしらえが必要です。
特に胃腸の機能の低下している高齢犬には野菜をペースト状にしたり、フードプロセッサーを用いた処理をしてあげるとよいでしょう。
野菜に含まれるビタミンは水溶性で加熱に弱く、このような下処理をしてしまうとせっかくの養分が失われてしまうのではと気になるところですが、洗浄や加熱によって若干は消滅してしまうものの、完全にゼロになるということではないと理解しておきましょう。
市販のドッグフードで原材料に野菜を配合している製品が多々ありますが、飼い主がトッピングをする野菜に比べれば栄養価も風味も各段に低く、家庭での調理過程での栄養価の消滅がさほど気に病むものではないことを理解出来ます。
犬は生野菜の消化吸収が苦手!という食性を理解する
野菜は本来生のまま、刻むこともなく本来の形状のまま、皮つきのままで食べることが理想的です。
人間用に下ごしらえをして食感をよくすることは、栄養素を大きく損なってしまうこともあります。
しかし実際には残留農薬や土などの付着もあり洗浄や加熱、皮むきは欠かせません。
また生のままでは量が多く、なかなか十分な量を摂取しきれません。
でも加熱することで量が減り、風味が増し、食感もよくなるのでその分一食当たりの摂取量を増やすことが出来ます。
このようなジレンマは犬の食生活においても同様です。
愛犬に野菜を与える場合、最も理想的な方法は犬本来の食性に近い形に調理してあげることです。
犬本来の食性とは犬が野生の環境下で暮らしている場合の食生活です。
野生の環境では犬は自生する野菜を自ら好んで摂取することはありません。
犬が野菜を摂取する唯一の方法は獲物として捕獲した草食動物の胃腸内に未消化の状態で残った野菜類です。
この野菜類はすでに草食動物が一旦摂取した時点である程度粉砕され、消化が進んでいます。
つまり完全な生の状態ではありません。
この途中段階まで消化が進んだ状態の野菜であれば、犬が間接的に摂取しても犬自身の胃腸に負担をかけることなく消化吸収することが出来ます。
つまり栄養が豊富だからと考え、犬に生野菜を与えることは本来の食性に合致していないのです。
この仕組みは私たちが米を摂取する仕組みにとても良く似ています。
収穫された米は栄養化が高いことはわかっていても白米に生成し、加熱調理し食事として摂取します。
生のままで摂取することはない上に、草食動物から間接的に摂取することはあります。
大切なことは栄養素をより多く摂取することよりも、本来の食性に合わせ適切な方法で摂取し続けることです。
またどんなに栄養素が豊富な野菜も過剰に摂取することで下痢を起こすことがあります。
下痢を起こす理由は、
- 消化不良
- 水分の過剰摂取
が原因です。
野菜を茹で与えることで野菜にたくさんの水分が含まれます。
日ごろドライタイプのドッグフードを主食としている場合、トッピングされた野菜から水分を摂取することで水分摂取量が急増し下痢を起こしてしまうこともあります。
野菜をトッピングするときは、まずは少量から様子を見ながら始めてあげましょう。
野菜トッピングでも根菜類のカロリーには要注意
野菜をトッピングする最も多い理由はダイエット、ドッグフードの量増しでしょう。
ただ野菜は栄養価が高いとはいっても決してゼロカロリーではありません。
野菜をトッピングし摂取カロリーの軽減ができていると思っても、実際にはさほど差異がないこともあります。
ダイエット用に野菜をトッピングするときは、カロリーの少ない葉物野菜を活用しましょう。
愛犬の主食、好き嫌い、偏食への対策には風味の強いかぼちゃやサツマイモなどがおすすめです。
犬の多くは色の濃い野菜を苦手とすることが多いので、色の濃い野菜はより念入りに刻み混ぜてあげましょう。
高齢になり消化吸収に不安があるときは、野菜をジューサーにかけ液体状にしてドッグフードに混ぜ、スープとして与えると食べやすく、消化もスムーズになります。
愛犬の体調は年齢、生活環境、運動量によって年々変化します。野菜を食事に取り入れるときは、愛犬の体調に応じたアレンジを加えてあげましょう。