
犬は飼いたいけれどしつけが難しそう、頑張ってしつけをしたものの問題行動が目立つなどしつけにお悩みの方は大勢います。
この解決策の1つに、愛犬をプロの訓練士の元へ数か月間滞在させ、基本的なしつけを身に着けさせるという方法です。
この方法には賛否両論があるのでしっかりと検討し家族で方向性を決めてゆきましょう。
訓練所滞在で身につくこと
訓練所とは?聞いたことはあるもののあまり詳しくは知らないという方が大半でしょう。
中には警察犬の訓練所を思い浮かべる方もいるでしょう。
訓練所とは民間団体、個人が運営開業をする犬の訓練のための施設です。
ペットとして暮らす犬を対象にする施設もあれば、警察からの委託を受け警察犬の育成、飼育をする施設や盲導犬の育成をする施設もあります。
中には警察犬の訓練の副業としてペットのしつけを引き受ける施設もあります。
ここでは犬達は犬舎と呼ばれる専用の施設で他犬達と共同生活を送ります。
人間との触れ合いは「訓練」がメインになるものの、今後ペットとして生活をすることも踏まえ遊びやレクリエーションの時間もあります。
訓練所での滞在期間は3カ月~半年ほどが主流です。
すでに成犬で噛みつきや無駄吠え、威嚇などの問題行動が深刻化している場合は滞在期間が半年以上と長くなることもあります。
費用は30~50万円ほどが相場です。滞在期間中の飼育費用に充当されます。
訓練所で滞在することで身につくことは、
- 人間との接し方
- 他犬との接し方
- 指示への服従
です。つまり安全でかつ良好な信頼関係を築く方法を学びます。
個々の犬の性格や個性、血統を見極め適切な手法で訓練が行われるので、犬は従順に人間の指示に従う事を身に着けることが出来ます。
訓練所滞在後に多く聞かれる飼い主の声
高額な費用が掛かる上に、ごく短い子犬の期間を訓練所で過ごさせるという決心は飼い主にとって決して簡単なものではないでしょう。
しかし、しつけに不安を感じる場合、他に選択肢がないからと心を鬼にして愛犬を預けるものです。
しかし実は訓練所利用経験のある飼い主の多くから同じ声が挙がっていることも事実です。
それは、
- 訓練所では従順だったのに、自宅では問題行動が目立つ
- 飼い主の指示をまるで聞かない
- 人間に委縮したような態度を見せる
というものです。
中でも訓練所のデモンストレーションでは優秀だった行動もいざ自宅に戻ると数日で以前の問題児に戻ってしまうというものは多くの飼い主が抱える悩みです。
この理由は、犬は訓練所で「人間」に従う事を身に着けたのではなく「訓練士」に従う事を身に着けたからです。
無条件にどの人間の指示でも従順に従うよう犬に理解させる事は想像以上に困難なことです。
人間でも無条件な従順さを持つことは不可能ですから当然ともいえるでしょう。
中には出入りを繰り返す犬も・・・
訓練所に滞在させたものの問題行動が再発する、改善出来ていないといった理由から中には生涯何度も訓練所の出入りを繰り返す犬もいます。
しかし、犬は何度もこの生活を繰り返すうちに自分の本当の居場所がどこなのか?
誰の指示を重視すべきなのか?
を見失い根無し草のような心理状態に陥ってしまいます。
犬は意外にも縄張り意識がとても強いので、訓練所と自宅の行き来で居場所を見失ってしまうのです。
これではますます飼い主との関係性は不安定になり、問題行動の再発や距離のある接し方が続いてしまうでしょう。
このように「訓練所へ預けても効果がなかった」という声が挙がるがゆえに、訓練所の利用には賛否両論があがるのです。
しかし、実際には訓練所へ預け入れること自体が悪いことというわけではありません。
悪いのは犬との接し方を身に着けていない飼い主の側です。
訓練所を経験し犬は指示と服従の関係性、必要性を理解できています。
でも帰宅後に飼い主から適格な指示が出されなければ何に従えがいいのか方向性を見失ってしまうでしょう。
訓練所へ預ける場合は、訓練終了後にただお迎えに行くだけでなく、飼い主自身も犬との接し方、指示の出し方を身に着けておきましょう。
自宅への出張訓練で飼い主も「しつけ方」を身に着ける
愛犬のしつけや問題行動に悩みを抱えている場合は、まず「出張訓練」について検討してみませんか?
出張訓練とは訓練士が飼い主の自宅を訪問し訓練指導を行う方法です。
この時訓練に飼い主も同席をするので、自然と犬との接し方、指示の出し方、誘導の仕方を見学し、習得することが出来ます。
犬にとっては自分の住みなれた自宅、土地勘のある縄張りの中で、飼い主の指示を聞く訓練をするのですから精神的な安定感が各段に違います。
犬の訓練はコツさえ身に着けてしまえば決して難しいものではありません。ぜひ愛犬と一緒に一歩ずつ学ぶことを考えてみましょう。