
寒い時期になると犬のカットスタイルに悩みが生じるものです。
寒さ対策のためには被毛を長く残したカットスタイルにすべきか?
毛足が長いと日々のお手入れ、毛玉が出来大変にならないか?
もちろん毎日のブラッシングも出来ないという事もあります。
なかなか正解が見つかりにくいこの問題、実は簡単な一工夫で一気に解決できます。
寒さ対策?それともお手入れの手軽さ重視?
犬の寒さ対策に、秋冬は被毛を長めに残したカットスタイルをされる方が多いものです。
ただこの方法は気がつけば毛玉が至るところに出来、一月もすればまたトリミングを利用する必要が生じてしまいなかなか悩みが多い方法です。
実は犬は被毛を数cm長く伸ばしてもさほど体感温度に変化が生じません。
飼い主が期待しているほどの保温機能が伴わない以上、長く被毛を伸ばすことはかえって家庭での手間が増えるだけといえるでしょう。
同様に夏は暑さ対策にと全身を短くスムースコート状にカットしても、体感温度は1,2度程度しか変化がないものです。
冬は室内の設定気温が高く、ホットカーペットや床暖房を活用している場合、夏よりもかえって快適で体感温度が高くなっている事もあります。
犬の寒さ対策にと長く伸ばした被毛による保温効果が必要でないほどです。
犬の寒さ対策には、室内で過ごす時はペット専用ヒーターを活用し、散歩やお出掛けには洋服を活用すると効果的です。
毛玉を予防する簡単一工夫
犬の毛玉は一度できてしまうとなかなか家庭では綺麗に処理をする事が出来ない上に、トリミングの際は追加料金が発生することもありとても厄介です。
毛玉を予防する為には、毎日被毛の根元から丁寧にブラッシングをする事が理想的ですが、なかなか毎日家庭でブラッシングを習慣化することは難しいものです。
そのようなお悩みを解決するためには、トリミングを利用する時に飼い主の立場から具体的なオーダーを伝えると効果的です。
そのオーダーは
- 脇の下、脇の付け根部分をバリカンで剃る事
- 内股、尾の付け根にバリカンを掛ける事
- 耳の内側にバリカンを掛け、耳の飾り毛はすきばさみで毛量減らす事
です。この方法は本来のトリミング技法としては周知されておらず、あくまでも生活を重視した特別な方法です。
日々の生活の中では、
- こすり合わさることの多い部位
- 毛玉が出来やすい部位
- なおかつ外見からは見えない部位
です。つまり外見からは目につかないので、短くカットをして何等問題がないのです。
この部分は皮膚がとても薄く、家庭でブラッシングをする場合にブラシの先端で皮膚を傷つけてしまうことも多く、犬もこの部分のブラッシングを嫌がります。
毛玉さえできなければ苦労をしてブラッシングをする必要からも解放され、お互いがストレスを感じずに済みます。
ただこの部位はとても皮膚が薄い上に、短くカットするにはプロとしての十分な経験が必要です。
特に脇の部分をカットする時は、犬の両手を大きく持ち上げ、脇の部分のしわを傷つけてしまわないように丁寧に作業を進める必要があります。
日ごろ大人しく、家庭でのケアに慣れて入る場合でも家庭では無理にカットをせずに、トリマーや獣医師に依頼をすると安心です。
シニアは年間を通じて見えない部分のカットがオススメ
シニア期を迎えた犬にとってシャンプーやトリミングは心身ともに相当な負担が掛かります。
出来る限り負担を軽減するためには、作業時間をいかに短縮するかが重要です。
その為には、毎回のトリミングの際に「見えない部分」を出来る限り短くカットしてあげると、作業時間を大幅に短縮する事が出来ます。
見えない部分のカットは、犬をシャワーで濡らす前にバリカンで荒く切り揃えておくと効率的です。
シャンプーやドライヤーの時間を短縮できるからです。
その後最終仕上げの段階で荒切りのカットラインをはさみで整えると、見栄えはよく、生活がしやすいスタイルに出来上がります。
一般的なトリミングショップではプードルなら3時間、シーズーなら2時間ほどの作業時間がかかります。
若く健康な犬であれば、この作業時間中、しっかりと立ち続けることが可能でも、シニアにはこの時間が相当な負担になり、作業完了後は疲労感で立つこともできないほどになることもあります。
しかし全身の見えない部分を短くすることで、作業時間を30分以上短縮する事が出来る上に、毛玉が無ければさらに時間の短縮が可能です。
このようなカットテクニックはトリミングの教科書や市販のカットスタイル集には掲載されていないので、トリマーさんの中には飼い主の要望をすぐに理解出来ない、カットする事に抵抗を感じるという方がいても不思議な事ではありません。
ただ生活の知恵、時短テクニックは犬と共に暮らす飼い主だからこそ思い浮かぶものです。
丁寧に相談をしながら、犬にも家族にもベストな方法を見つけ出してあげましょう。